介護現場で使える!現役職員が使っている相談支援の基本原則「バイスティックの7原則」とは?

介護現場で使える!現役職員が使っている相談支援の基本原則「バイスティックの7原則」とは?

女性が高齢者の相談にのるイメージ

こんにちは。社会福祉士・介護福祉士の笑和です。

介護現場で働いている皆さんは、利用者や、ご家族とコミュニケーションを図るなかで対応に困ったことはありませんか?

「こんな時はどう対応したらいいの?」「何と返答したらいいか分からない」等、職員として現場でどう振る舞ったら良いか判断が難しいケースがあると思います。

この記事では、介護現場で使える「バイスティックの7原則」について解説します。これを読めば、明日から介護現場で使えるようになり、利用者や家族と信頼関係を作るきっかけになるかもしれません。

バイスティックとは?

疑問のイメージ

バイスティック(バイステック)はアメリカの社会福祉学者です。彼の提唱した7原則(後述)は、今もなお相談援助の現場、介護現場における支援の実践に影響を与えています

バイスティックは、福祉機関に相談に来るクライエント(介護現場でいう利用者)とワーカー(職員)が援助関係を作るうえで、ワーカーに求められる7つの態度・考え方を挙げました。

これがバイスティックの7原則と言われる技術・考え方です。

介護現場で使える?

介護現場のイメージ

これから紹介するバイスティックの7原則は、もともとは相談援助機関で発展した方法・技術です。

利用者の抱えるニーズによってアプローチ方法を変え、信頼関係を基に援助を展開していく点では、相談援助場面も、介護現場も共通しています。そのため、私は具体的な介護場面で利用者との関わりにおいて十分に使える技術であると感じています。

また、利用者のみならず、同僚や部下に対してのOJT(On the job traning)でも実践するように心がけることで、優良な人間関係の構築に役立てています。よって、バイスティックの7原則は福祉従事者全体とって有用な技術であるといえるでしょう。

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バイスティックの7原則

バイスティックは、クライエント・利用者が持つニーズに対して、援助関係を作るための原則を7つ挙げています。介護現場で起きうるケースに置き換えながら、一つずつ見ていきましょう。

個別化

利用者は一人ひとりが独立した別々の存在であり、一人ひとりが「個別に対応してほしい」と望んでいます。

よって、利用者一人ひとりに対し、お名前で呼びかけるのはもちろんのこと、できる限り個別で対応し、個人として関わることが関係性を作るうえで大切です。利用者をお名前で呼ぶことは介護を行ううえでの基本です。利用者は「自分が呼ばれている」と意識し、職員が関心を持ってくれているのだなと感じるはずです。

意図的な感情の表出

利用者のなかには、自分の今の状況(施設に入所せざるを得ない、役割が無い、身体が思うように動かない、など)に不満を持ったりと、負の感情抱いている人がいるかもしれません。職員は、利用者がこのような負の感情も含む自分の抱く感情をできるだけ表現しやすいように、環境を作ることが大切です。

統制された情緒関与

利用者が表した感情に対して、職員が共感的に受け止め、自分の感情を自覚しながらも、適切な感情の表出を心がけることです。

利用者の感情が「孫が来てくれて嬉しい」という喜びであれば、それに共感します。一方で、「長生きしても仕方ない」というような負の感情ならば、「そのようなお気持ちなんですね」と、その感情自体に寄り添います。

このように職員が利用者との情緒的関わりをコントロールすることで、利用者との関係性を深めることが狙いです。

受容

人は誰しも、自分の存在を認めてほしいという「承認の欲求」があります。介護の場面においても、自傷他害の恐れが無い場合に限り、利用者の言動を尊重し、受け入れていくこと重要です。

例えば、入浴拒否のある利用者の言動を尊重できない場合があるかもしれません。入浴をしないということが、本人にとって衛生の問題があり、これを尊重することは難しいですね。しかし、大切なことは、拒否をしている行為を含めて、利用者を受け入れることです。

「なぜ拒否するのだろう」「今、どんなことを考えているのだろう」等、利用者の思いや立場に寄り添い、受け入れる努力をしましょう。

非審判的態度

職員が自分の価値観だけで、利用者を一方的に否定・非難してはいけないということです。例えば、他害行為の恐れがあった場合、まずはこの行為を止め安全を確保します。その後、利用者の行動自体を非難するのではなく、その背景に何があるのか、どのような気持ちでそうなったのかを知る努力をすることが求められます。

利用者の自己決定

人は誰しも、自分の人生に関わること、自分の生活に関わることは自分で判断して決めたいという欲求があります。

介護の現場でも利用者の自己決定を尊重するために、「選べる」「選択肢がある」という環境を作ることが大切です。例えば、毎日着る服を利用者に選んでもらう等、些細なことから始めてみましょう。

秘密保持

利用者であろうと、職員であろうと、人として生きていれば、他者に知られたくない秘密があります。職員が利用者と関わるなかで、利用者の秘密を知り得ることがあります。その秘密を他者には漏らさないと約束し、その約束を誠実に守ることです。

利用者が「秘密が守られている」という実感があれば、また新たな秘密の告白が得られるかも知れません。それは、信頼されている証拠です。

まとめ

介護に関わる専門職や対人援助職は個人の感情ではなく、専門職としての感情を持ち、利用者に関わることが求められます。バイスティックの7原則は、私たちが利用者の尊厳を保ち、自立した生活を促す支援をおこなううえで、前提となる基本的な原則です。

これらの原則に基づいて、少しずつでも良いので介護場面で実践してみて下さい。それが信頼関係を築くきっかけになると思います。また、同僚や部下に対しても実践できれば、優良な人間関係の構築につながるかも知れませんね。

(Posted by 笑和)

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※掲載情報につきましては、 2019年11月05日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。

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