「私生活での介護経験を活かして働きたい」と言う動機は甘い?仕事とプライベートの介護の違い

「私生活での介護経験を活かして働きたい」と言う動機は甘い?仕事とプライベートの介護の違い

こんにちは、ヘルなび編集部です。

介護職に興味を持つきっかけは人によって様々。

でも特に、家族や親族など身近な方の介護をしたことがきっかけで、介護職への道を考える方は多いのではないかと思います。

今回は、介護事業所で面接官をしたこともあり、たくさんの介護士さんの働く姿を見てきたnamikiさんに「私生活での介護経験は現場で活かせるの?」ということについて教えてもらいました。

身近な人の介護と仕事での介護の違いとは?ぜひご覧ください。

私生活で親族や夫、親の介護をしているうちに、求人広告の「介護職員募集」の欄が目に留まり、実際に面接を受ける方は沢山います。

私が訪問介護事業所で正社員として勤務していた時、面接官をやっていたこともあるのですが、志望動機を聞くと「親の介護がきっかけで」と答える方が多数いらっしゃいました。

かく言う私自身も、祖父の介護の手伝いがきっかけで、結婚後介護の資格を取り入職したタイプなのですが、勤務してからは数々の失敗が・・・。

私生活の介護経験は、現場でどこまで通用するものなのでしょうか?

1人を見る事と数人を見る事の違い

仕事とプライベートは違う?

私は私生活での介護と言えば、おじいちゃんの通院の付き添い(車椅子誘導)、帰宅後の昼食準備、ベッドまで誘導してベッド横にポータブルトイレを置く。これを1カ月に2,3回やるだけでした。

今考えれば、よくこれだけしかやっていないのに、「自分は介護に向いているに違いない!」と自負したな20代の私~と、恥ずかしい気持ちになりますが、正直経験は現場に出ればこれだけでも十分。スグ通用するかと言えば全くそうでは無いのですが、介護のやり方に順番やこだわりがないのが逆に施設にとっていい時もあるようでした。

むしろ、しっかりと家族の介護と向き合って来た方のほうが、現場に入って辛い思いをしていたように思います。

私と同時期に有料老人ホームのパート職員として入職したAさんは、寝たきりの実母のお世話を8年もの間、ほぼほぼ1人でやっていたすごい人でした。

しかし実のお母さんと2人での時間の流れがそのまま勤務にも反映されてしまい、「業務全般遅い」と上司に叱責されていたのです。

Aさんとは3か月一緒に働きましたが、施設の業務スピードに最後までついていけないまま、退職してしまいました。

職場ごとに業務のやり方も違う

介護は様々

家庭や親族宅で介護するのと、介護施設で介護するのとは全く違うとはわかっていても、なかなか頭のスイッチを切り替えるのは簡単ではありません。

それは介護業界で長く働いていたとしてもいえることです。

転職先ではその施設の入浴や食事の流れがありますので、それに準ずることとなります。
食事の配膳も、誰がミキサー食で誰が刻み食かなど、覚えるまでは必ず先輩に確認してからでないと配膳できません。

しかし稀に、私生活で長い介護経験がある方が配膳ミスをしてしまう事があります。今まで私生活で能動的に介護していたせいか、介護の仕事に重要な「確認する」事をすっぽり忘れてしまっているのです。

私も入職したての頃は失敗失敗また失敗の連続で周りに迷惑ばかりかけていました。とにかく謝りながら、次は失敗しまいとメモを取りまくったものです。

ですが、ここで長い家庭での介護で培ったプライドが邪魔して、なかなか心から頭を下げる事ができないでいると、職場を転々とすることになります。

私生活での介護経験が活きるとき

これまでの経験も活きる

介護職員として必要なものとは?と考えるとき、私が1番に思いつくのが「高齢者に偏見を持たないこと」だと思います。

誰も、偏見の目で見てくる人から介護されたいなんて思いませんよね。もしもあなたが入院したとして、担当の看護師がアナタの顔や体格を偏見の眼差しで見ていたと分かったら「担当変えてください」と言いたくなるはずです。

高齢者のみなさんは、そういった言葉ではない言葉に敏感です。

だから、私生活で高齢者とコミュニケーションを取ったことがあり、会話ができるというだけでも、新人としてかなり高得点であると言えます。

私がデイサービスで働いていた時の新卒の新入社員さんは、よく高齢者とのコミュニケーションで悩んでいました。
専門学校の実習先でたくさんの高齢者と触れ合ったはずなのに、上手く話せない。
コミュニケーション方法や声掛けの技術も学んだのに実践できないと。
私生活で介護の経験がないと、どこか高齢者の方々に壁を感じてしまう様です。

その点、プライベートで介護経験があった方々は、お話が上手です。
昔のアイドルの話、昔はやった歌の話、最近物価が高い話・・・などなど。
さらに生活感があるというか、主婦も家族介護もどちらのキャリアもあある介護職員の方は、高齢者の方々が持っている価値観と同じ考えをお持ちですので、高齢者の皆さんにストレスを感じさせることがありません。

例えば使っていない時の布団のたたみ方1つとっても、実家暮らしの職員はバサッと除けてそのままなので高齢者にストレスを与えることがあります。でも高齢者の皆さんは「お世話してもらっている」という気持ちがあるので、「布団をちゃんとたたんで欲しい」と言い出せません。

しかし私生活で介護経験がある方ならきちっとたたんでくれる。
それだけで嬉しいということもあるんです。

まとめ

たくさんの協力

介護業界は去る者は追わず「最近Bさん見ないね」「飛んだ(辞めた)んじゃない?」「ふーん」などという会話は茶飯事です。

しかし皆、入職した方には長く働いてもらいたいと思っているし、入居している高齢者の方たちだって、なじみの関係が築けた方に去って欲しくはありません。

私生活の介護と施設や訪問、通所の介護とのギャップに恐れることなく、自信をもって介護を続けていってくださいね。

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※掲載情報につきましては、 2019年12月20日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。