【実録】介護業界内での転職【失敗談】

【実録】介護業界内での転職【失敗談】

転職
こんにちは。社会福祉士・介護福祉士の笑和です。

介護の仕事にも様々な特徴があります。得意とする職種はもちろん、施設によってサービス内容も雰囲気も大きく変わってきます。

そんな中で自分にあった職場に出会うのは大変。介護業界内での転職を考えたことのある方も多いのではないでしょうか?

この記事では、介護業界内で転職を試みたものの、結果的に失敗だったという事例を紹介。
これらの事例から、失敗しない転職のコツをお伝えします。

Aさんのケース

大手の社会福祉法人へ就職

介護福祉士を養成する専門学校を卒業したAさん(20代、男性)は、高齢者福祉施設である介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)へ就職しました。

この特別養護老人ホームを持っている法人は、地元では高齢者福祉事業を行う事業者としては有名でした。なぜなら、次のような施設を持っている法人だったからです。

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム):6施設
  • 介護老人保健施設:2施設
  • 経費老人ホーム:3施設
  • 住宅型有料老人ホーム:3施設
これらの施設に付随して、通所介護(デイサービス)や通所リハビリ(デイケア)、訪問介護事業(ホームヘルプサービス)をやっていて、手広く事業を進めている法人でした。

一つひとつの施設の規模が大きく、利用者の数が多く、そのお世話をする医療・介護スタッフの数も多い。

全施設共通でユニフォームを導入し、スタッフの着用するユニフォームの色で、そのスタッフの役職が分かるようにしていました。それほど大きな法人で、Aさんは勤務していました。

彼が勤務する特別養護老人ホームは従来型と呼ばれ、ひとつの居室に数人が相部屋で利用し、食堂・浴室・リビング等の共有部分は大人数で利用するタイプでした。

「流れ作業」のような業務

利用者の数が多く、毎日の介護が「流れ作業」のようで、Aさんは自分の理想とする介護が提供できないことに不満を抱えていました。

毎週2回実施される入浴介助のときは、まさに「戦場」のようで目の回るほどの忙しさでした。

Aさんはやがて「違う施設で、もっと自分の理想とする介護をしたい」と考えるようになりました。

理想とする介護

介護士イメージ
話はAさんが専門学校の学生だった頃に遡ります。介護実習で経験した認知症対応型共同生活介護(グループホーム)での出来事です。

そこで提供されていたのは、家庭的な雰囲気のなかで、9人以下の少人数の利用者に対し、少ないスタッフで温かい介護を提供するというものでした。これこそ、彼の理想とするものでした。

従来型特別養護老人ホームでの勤務で、心も身体も疲弊していたAさんは、漠然とグループホームへの転職を意識するようになりました。

転職を決意

Aさんは、自分が専門学校生だった頃に実習したグループホームのホームページを確認しました。懐かしい学生時代の思い出が頭に浮かび、あの頃の、理想に燃えた介護をしたいと考えました。

早速、ハローワークで求人を探してみると、タイミング良く求人票がありました。早速に問い合わせてみると、まだ応募を受け付けているとのことでした。Aさんにとっては、渡りに船のようでした。

求人票記載の内容

求人内容は次のとおりです。

  • 雇用形態:契約社員
  • 職種:介護職員
  • 給与:月給14.5万円~17.5万円
  • 手当:夜勤手当が2,500円/回。資格手当等、その他手当は無い。
  • 時間外勤務:月10時間程度
Aさんにとって転職する収入はダウンします。因みに、現在の給与は資格手当を含めて18.5万円。これに夜勤手当(4,500円)が加算されます。

生活のことを考えると若干の不安がありましたが、もう気持ちは止められません。このグループホームの入社試験を受けることになりました。

入社試験

入社試験は書類審査と面接試験のみ。書類審査は、事前に提出する履歴書と職務経歴書で審査されます。

面接試験当日に応対してくれたスタッフは、実習の頃、たまに現場で見かける事務課長でした。この人が面接試験をしてくれました。
グループホーム内で介護を行なっている職員を確認しましたが、自分が実習していた頃のスタッフは見当たりませんでした。

面接試験ではこれまでの介護実践経験や、仕事に対する考え方等、聞かれた質問に問題無く答えることができました。Aさんは試験合格の手応えを感じました。

入社・勤務開始

これまでお世話になった介護老人福祉施設を退職したAさんは、心機一転、夢に見たグループホームでの勤務を開始することになりました。

Aさんは、スタッフと利用者の皆さんにご挨拶をして勤務を開始しました。

そしてすぐに、違和感を感じました。それは次のような理由からです。

  • 実習時に指導してくれたスタッフが誰一人残っていない
  • 介護職員の表情が暗く、利用者とのコミュニケーションがあまり無い
  • グループホーム内の装飾などが無味乾燥

 

期待はずれ

不安
Aさんが夢描いていたのは、実習した頃のグループホーム。少人数の利用者とスタッフが、家庭的な雰囲気を作り、そんななかで介護することを期待していました。

Aさんが特別養護老人ホームで働いている間に、グループホームの経営者が変わったようで、実習時に指導してくれたスタッフは全員辞めてしまったとのこと。
現存するスタッフは介護系資格等を持たない人ばかり。後で聞くと、人の入れ替わり激しくて人材が定着しないとのことでした。

家庭的な雰囲気がまるで無い、また、利用者のほとんどは重度要介護者で、スタッフが少ない分、一人ひとりの負担が大きいものでした。

つまり、自分の理想とする介護の提供は困難な状況でした。

降りかかる役割

Aさんは業務の多くを担うようになり、毎日行なっているレクリエーションは、ほぼAさんの担当となっていました。理由は次のとおりです。

  • スタッフのなかでは新人であること
  • 介護系専門学校卒であること
  • 大手老人ホームの勤務経験があること
人間関係の悪いなかでは、決して良い仕事はできません。

居室で休んでいる利用者や、休日のスタッフの悪口を職員が叩き、それが利用者にも伝染し、家庭的な雰囲気とは程遠い環境でした。

まとめ

理想の介護を提供するために転職したAさんでしたが、自分の思い描く理想とはほど遠い施設でした。

そのうえ前職よりも年収が下がり、役割だけが増えたという状況。彼の転職は失敗だったと言わざるを得ません。

転職はタイミングとは言うものの、短い時間で限られた情報を元に判断すると間違います。裏を返せば、長い時間をかけてたくさんの情報から判断するようすることが、転職を成功につながるといえます。

 

(Posted by 笑和)

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※掲載情報につきましては、 2020年04月27日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。