転職をくり返す介護職は採用で不利になる?人事担当者が介護業界の転職事情を解説

転職をくり返す介護職は採用で不利になる?人事担当者が介護業界の転職事情を解説

転職を繰り返すイメージ

「転職回数が多いと、採用が不利になるのだろうか?」

介護職として転職をする時には、転職回数が増えることを不安に感じる人も多いはず。転職をくり返すと、採用側にどのような印象を持たれるのでしょうか?

私は、管理職としてこれまで多くの介護職員の人事に関わってきました。転職を考えている人の中には、人事担当者が求職者を評価するポイントについて知りたいと思う人もいるでしょう。

そこで、人事担当者の視点から、介護職として転職する時に注意しておくべきポイントについて紹介します。

転職回数が多くても、採用は不利にならない

大丈夫のサインを出すイメージ

介護業界では、転職回数で採用が不利になることはありません。というのも、ほとんどの事業所(病院や介護施設など)では、職員の人員不足に悩んでいるため、ひとりでも多くの介護職を採用したいと考えているからです。

介護労働安定センターが報告した「平成29年度 介護労働実態調査結果」では、調査に協力した8,782ヵ所のうち、66.6%の事業所で介護職員が不足していました。

事業所が回答した介護職員の不足状況の内訳

大いに不足 9.6%
不足 24.4%
やや不足 32.6%

このように、多くの事業所では介護職の人員が不足しています。ですから、採用側としては、働きたい気持ちのある方であれば、転職回数にこだわらず介護職員を採用したいと考えています。

また、介護の仕事は、専門的な知識や技術を必要とします。そのため、介護業界で働く人のなかには、色々なスキルや経験を積み重ねるために転職をくり返している人のほうが多いです。

例えば、私が一緒に働いていた介護福祉士は、複数の有料老人ホームや老人保健施設で勤務したあとに転職し、リハビリ専門病院の介護リーダーを務めている方もいました。このように介護業界では、転職回数が増えたことで採用が不利になるどころか責任のある仕事を任される場合もあるのです。

採用側は、求職者の働く気持ちや介護職としての経験を評価していますから、転職をする時には、自分の気持ちと経験を積極的にアピールできると良いでしょう。

事業所に興味を持つと働く意志が伝わる

メモをとる男性のイメージ

先ほどもお伝えしたように、転職を有利に進めるには、人事担当者に働く意志をアピールしていく必要があります。では、どのようにすると働く意志を人事担当者に伝えられるのかと言いますと、施設見学や採用面接の機会を利用して、事業所に興味がある姿勢を見せると良いでしょう。

例えば、施設見学をする時には、案内係の方に病院や介護施設の理念や運営方針について尋ねたり、介護職員の具体的な仕事内容を質問したりすると、事業所に興味がある姿勢をアピールできます。

反対に、よくありがちな失敗は、職員の給与や公休・有給の事情だけにしか興味を示さないこと。もちろん求職者としては、転職する職場の労働条件が大事なのもわかりますが、それだけにしか興味を示さない態度では、人事担当者にも働きたい意志が伝わらず採用にもつながりにくいでしょう。

ここで採用側の事情をお話しておくと、介護職員をひとり採用するにも、実は求職者が思っている以上に時間と労力がかかっているのです。

施設見学や採用面接の日程調整、書類の手続き、ユニフォームの準備、採用後の教育や研修方法の検討など。採用側からすると、時間と労力をかけた分、長く働いてくれる意志がある人ほど採用したいと思っているというのが本音です。

施設見学や採用面接に臨む時には、ームページやパンフレットなどで下調べをして、事業所に働く意志や興味がある姿勢を上手くアピールできるようにしてみてはいかがでしょうか。

人事担当者は、基本的なスキルを重要視している

人事担当者のイメージ

人事担当者は、働く意志と同じくらいに、社会人としての基本的なスキルを求職者に求めています。意外に思われるかもしれませんが、介護職の人事担当者は、書類審査、施設見学、採用面接などを通して、求職者の社会人スキルを注意深く評価しています。

介護の仕事は、どういった事業所で働く場合にも、他の職員と協力や連携をしながら仕事をする必要があります。また、患者さんや利用者さん、家族と直接関わりながらおこなう仕事がほとんどです。適切なコミュニケーションがおこなえることや、丁寧で誠実な姿勢が求められたりするのが、介護職の仕事の特徴と言えるでしょう。

もし社会人としての基本的なスキルに欠けていると、他の職員とトラブルになったり、事業所を利用される方からクレームを受けたりすることにもつながりかねません。そのため、人事担当者は、社会性を重要視しながら介護職員の採用を検討しているのです。

では、どういったところから社会性が評価されるかというと、主に注意したい点は次のようなものです。

  • 自分からあいさつできる
  • スケジュールを守る
  • 場や状況に合わせた格好ができる
  • 適切に書類を作成、提出できる
  • 相手の話をしっかり聞ける

転職をする時には、履歴書などの書類を作成したり、事業所の職員と関わったり、身だしなみを整えたりする機会がなにかと多いもの。こういった手続きの中で、介護職員としての社会性が評価されています。

転職活動では、ひとつひとつの手続きを丁寧におこない、社会人としての基本的なスキルがあることを採用側にアピールするようにしましょう。

参考
平成29年度 「介護労働実態調査」の結果
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h29_chousa_kekka.pdf

(Posted by 田口 昇平 )

介護業界の転職において給与の条件交渉が可能なパターン

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※掲載情報につきましては、 2019年11月23日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。