要介護認定の結果に不服申立てはできる?

要介護認定の結果に不服申立てはできる?

要介護認定の結果に不服がある場合、不服申立てをすると、再審査してもらえます。

この記事では、要介護認定の概要・申請の方法を説明するとともに、介護区分と、認定結果に対して不服がある場合の申し立て方法について説明します。

要介護認定とは

診察

介護保険制度では、高齢による身体機能の低下や疾患、認知症の発症などにより日常生活を営むことが困難になった場合(要介護状態、要支援状態)に、介護サービスを受けることができます。

自分自身や家族が、介護や支援を必要とするようになった場合、介護サービスを利用するには、要介護認定を受けて「要介護状態」または「要支援状態」の認定が必要です。

要介護認定は、介護サービスの給付額と関連していることから、その基準については全国一律に客観的に定められています(1)。

具体的な手続きの流れは次項で解説します。

要介護認定の申請

要介護認定を受けるためには、申請をしなければなりません。ここでは、要介護認定の申請方法について解説します。

誰が申請するのか

介護サービスを希望する人は、サービスを希望する人または家族等が、市町村の窓口で「要介護(要支援)認定」を申請します。地域包括支援センターなどで手続きを代行している場合があります。なお、この申請の際には、介護保険被保険者証が必要です。

申請窓口は

介護保険制度の保険者である、市町村および特別区が申請の窓口になります。要介護認定の申請は、住所のある市町村の担当窓口に行けば申請することができます。

申請に必要なものは、詳細は市町村によって異なりますが、概ね次の書類等が必要です。

  • 要介護認定・要支援認定申請書
  • 介護保険被保険者証の原本
  • 申請者の身元確認書類
  • マイナンバーの確認できる書類
  • 医療保険被保険者証(40歳~65歳未満の方)

要介護認定の調査

申請を受理した市町村等は30日以内で要介護認定を行います。市町村の職員などが認定調査員として、介護を必要とする人の元を訪問し、心身の状況について本人や家族から聞き取り調査を行います。

要介護認定は、介護サービスの必要度(どのくらい介護サービスを受ける必要があるか)を判断するものです。しかし、その方の症状の重さと、要介護度の高さが比例しない場合があります

要介護認定の判定

認定調査の結果と、かかりつけ医の意見書を元に、保健・福祉・医療の学識経験者(医師や看護師、歯科医師や薬剤師、保健師や介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員の実務経験者など)による介護認定審査会で審査し、要介護(支援)度を判定します。

なお、要介護度は1~5の5段階、要支援度は1・2のいずれかになります。

介護認定不服申立て

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出された要介護度・要支援度(判定区分)が、自分の予想よりも下回るケースがあります。先述のとおり、抱えている症状の重さと、要介護度の高さが必ずしも一致しないケースがあるからです。

介護認定の決定に不服がある場合は、都道府県に設置された介護保険審査会に対して審査請求ができます。先述の介護認定審査会と名称が似ていますが、設置主体と役割が全く異なりますので注意が必要です。

介護保険審査会とは

介護保険審査会は、要介護認定の不服申立ての審理・採決を行う第三者機関として、各都道府県に設置されています。介護保険審査会における審理・採決の対象となる処分は以下のとおりです(2)。

  • 保険給付に関する処分
    (被保険者証の交付の請求に関する処分及び要介護認定又は要支援認定に関する処分を含む。)
    例)要介護(要支援)認定結果処分、負担限度額認定決定処分 など
  • 保険料その他法律の規定による徴収金に関する処分
    (財政安定化基金拠出金、納付金及び法第157条第1項に規定する延滞金を除く)
    例)介護保険料額決定処分 など

介護保険審査会のメンバー

神奈川県を例に解説します。介護保険審査会のなかに介護認定審査部会があり、この部署が要介護認定処分に対する審査請求事案を審査します。介護保険審査会には、専門家や市町村の委員だけでなく、被保険者の代表者がメンバーに加わり、合議体で審査されます。

不服を申し立てる方法

不服がある場合には、決定内容を知ってから3ヶ月以内に、介護保険審査会へ文書または口頭で請求します。審査請求は、原則として処分(決定)を受けた被保険者本人が行うことができます。

不服申立てに必要なもの

神奈川県の場合は、次の事項が記載されていれば、任意の様式で良いです。

  • 審査請求の原処分の名宛人たる被保険者の氏名、住所、生年月日、被保険者番号
  • 審査請求人(代理人)が原処分の名宛人たる被保険者以外の者であるときは、審査請求人の氏名又は名称並びに住所、被保険者との関係
  • 審査請求人(代理人によって審査請求をするときは代理人)の押印
  • 審査請求に係る処分の内容
  • 審査請求に係る処分があったことを知った年月日
  • 審査請求の趣旨及び理由
  • 処分庁の教示の有無及びその内容
  • 審査請求の年月日
  • 代理人によって審査請求をするときは、代理人の氏名及び住所

自治体によっては、審査請求書の様式が定められていたり、必要な書類が上記とは異なる場合があります。

審査会の裁決の取り消し

介護保険審査会の裁定に不服がある場合、当該裁決があった日の翌日から起算して6ヶ月以内に、都道府県を被告として所管の地方裁判所に裁決の取消しの訴えを提起できます。

まとめ

要介護認定の結果は、今後の介護サービスの受給に関して大きく影響します。各被保険者の状態に合わせて、介護が必要な度合いを公的に認めてもらい、介護サービスを利用するようにしましょう。

もし、要介護認定の結果に不満がある場合には、担当の介護支援専門員や地域包括支援センターの職員、市町村窓口の担当者に相談して、場合によっては不服申立てを申請しましょう。

とはいえこの不服申立ては、新しい結果が出るまで一定の期間がかかります。それが支障となる場合は区分変更を申請するという方法もありますので、状況に合わせて申請方法をご検討ください。

(Posted by 笑和)

参考文献:

(1)要介護認定 厚生労働省

(2)介護保険審査会について 神奈川県

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※掲載情報につきましては、 2020年04月03日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。