認知症の種類を分かりやすく解説! 気持ちに寄り添うケアを

認知症の種類を分かりやすく解説! 気持ちに寄り添うケアを

高齢者と介護者の手が重なり合うイメージ
認知症は、加齢など様々な原因で脳の働きが悪くなり「記憶」「判断力」などが低下する症状で、高齢者人口の増加とともに近年取り上げられる問題の一つです。

認知症といっても、実際には症状や進行具合には個人差がみられます。さらに、認知症には種類があり主な原因疾患の特徴を正しく知ることが、支援や関係性を築くうえでとても大切になります。

つまり、認知症についての正しい知識があれば、より気持ちに寄り添ったケアができるはずです。

認知症の種類とは?

車椅子の男性とヘルパーのイメージ
認知症の種類は原因疾患により分けられています。

「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」など神経が変性(元の状態から変化)する疾患と、脳血管障害などによる「血管性認知症」が認知症の基礎疾患の割合の多くを占めています。

同じ神経変性由来による認知症であっても、症状の特徴や生活上での注意点が異なるため、それぞれの特性を正しく知っておくことで、日々のケアにも活かすことができるはずです。

アルツハイマー型認知症とその特徴

日本で、67.6%と最も多くの割合を占めている認知症が「アルツハイマー型認知症」です。
脳内に異常なたんぱく質が溜まり、神経細胞が破壊され脳の委縮が起こることが原因とされています。

特徴的な症状として、短期記憶、特に最近の出来事を忘れやすく、一方で昔の事を覚えている傾向がみられるでしょう。
症状が進行していくにつれ、物忘れを始め見当識などの症状が強まり、徘徊などの問題行動に繋がるケースも珍しくはありません。

ケアのポイントとしては、本人が物事を思い出しやすいような環境を整えることを心がけましょう。
例えば、分かりやすい場所にカレンダーを配置したり、簡易な日記などをつける習慣を共有するなど見当識や短期記憶の障害に配慮した支援が重要です。

他にも、徘徊対策用にセンサーなどの福祉用具が活用できる場合があることを知っておくことで、症状が進行した場合にも様々な対応を検討することができるでしょう。

レビー小体型認知症とその特徴

「レビー小体」と呼ばれる特殊なたんぱく質により、脳の神経細胞が破壊され起こる病気です。

認知症に占める割合は4.3%でアルツハイマー型認知症と同様に神経変性の認知症とされています。レビー小体型認知症の特徴的な症状として、現実にはない見えないものが見える「幻視」があります。

そのため、知らない人がそこにいるように見えたりと不安感が強まり感情の起伏が激しくなることも少なくはありません。

そのような場合には、発言自体を否定するのではなく「あちらの方には帰って頂きますね」など、本人の意識が別の方向に向かうような声掛けを心がけることがケアのポイントです。

前頭側頭型認知症とその特徴

認知症の割合としては1.0%と多くはありません。しかし、特徴を理解しておくことが重要な認知症のひとつです。

前頭側頭型認知症は、その名の通り脳の前頭葉や側頭葉の神経細胞が減少して起こる認知症です。

前頭葉や側頭葉の機能が障害されてしまうため、特徴的な症状として感情の抑制が難しい場合や決められたルールが守れないなど社会生活で支障をきたしてしまうこともあるのです。

ケアを行う上で本人の気持ちに寄り添う姿勢は大事ですが、頻回に上記のような症状がみられる場合には、認知症外来など適切な医療機関の受診を行うことが重要です。

現状では、抗精神薬などによる対症療法で対応するため、家族やケアスタッフの負担が大きくなりやすい傾向があります。そのため、情報を共有し必要に応じて連携することが大切なポイントです。

脳血管性認知症とその特徴

脳出血脳梗塞など脳に十分な血液を送ることが難しくなり、一部の脳細胞の働きに障害が起こる病気です。
原因としては、高血圧や動脈硬化、糖尿病など生活習慣病が大きく影響しており、繰り返す事で症状が段階的に進行します。

主な症状としては記憶障害と認知機能の障害ですが、他の認知症と異なり、障害を受けた部位により症状が異なるのが特徴です。

また、症状が急に出現したり落ち着いたりと変動が大きいことや特定の事柄だけ行えないなどといった特徴もみられます。そのため、「まだら認知症」と呼ばれ、治療やケアにおいては再発を予防する事が重要となるのです。

特に高血圧や血液の循環をよくする効果の薬を飲んでいる場合が多く、飲み忘れを防止することなど内服内容についても把握しておくことが大事です。

また、定期的に身体を動かす機会を設けることも大切で、リハビリテーションを利用することもよいでしょう。

まとめ

高齢者と笑顔で話すヘルパーのイメージ
これから、より認知症患者の人口は増えていくことが予想されています。認知症によっては、特徴的な症状がみられることがあり、傾向を正しく知ることで関わり方や環境の整え方があるのです。

相手の気持ちに寄り添ったケアを行うためにも、まずは認知症の種類についても正しく知っておきましょう。

 

(Posted by 大世渡渉)

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※掲載情報につきましては、 2020年02月27日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。