地方の少子化・過疎化と介護職の現状

地方の少子化・過疎化と介護職の現状

グラフとビルと人

一般に地方と呼ばれている多くの地域では、少子化・過疎化が深刻な問題となっています。

若者が進学や就職のために地方から都会へと移り、両親が田舎での生活を継続するということは全国的に多くみられるケースです。
結果として都市部に若者が集中し、地方は高齢者が中心となり、労働人口が少なくなって過疎化が進んでしまいます。

さらに少子化の影響も加わり、過疎化はますます進み、深刻な介護者不足となります。

今回は、過疎化した地域における介護の現状と課題、その対策について説明します。

地方の少子化と過疎化の現状

介護に関わる看板

より便利な生活を求め、若者は地方より都会の生活を好む傾向にあります。若者が都会に集中することで、若者を中心とした人口の減少が起こり、様々問題が生じます。

  • 後継者問題が深刻となり、代々続いてきた仕事の継続が難しくなる
  • 人口が減少することで商店街が寂れ、大手の商業施設は撤退し、そこで働いていた人はが職を失ってしまう

さらに、それにより地方に住む人は仕事や買い物をするために都会へと出向く必要もでてきます。

都会に移り住んだ人は都会で子供を育て都会を生活の基盤とします。地方では若者不足と同時に深刻な子供不足となり、将来の働き手が現れにくい状況となります。

また、市や自治体によっては、人口減少により税収が低下し、財政悪化を起こす場合があります。医療サービスや公的事業への予算が削られたり、必要な設備投資が行われなくなってしまうこともあるでしょう。予算が削られてしまうことでサービスの質の低下、必要な公共事業が行われなくなるなど、全体として地域運営が悪化することも予測されています。

過疎化による高齢者の現状

公園と歩く親子

若者や子供が都会に集中する一方、残された世代は引き続き地方で生活をします。厚生労働省の調べでは、地方では高齢化率が50%を上回っているところも多く、ほとんどの住民が高齢者という状況も生じています。

介護が必要となった時、自分の子供が遠方に住んでいるので、高齢者が高齢者を介護するという老々介護が当たり前のように行われています。

住み替えがしづらい高齢者

若者は利便性を求め移住することが容易にできますが、長くその土地に住む高齢者はなかなか簡単にはいきません。住み慣れた地域であり、守るべき家やお墓を持っている人は、利便性が悪くなったからといってその土地を離れてしまうことに対して抵抗感を抱きます。

今まで築き上げた人間関係もそう簡単に切れる訳ではありません。住み慣れた土地を離れて新しい環境で一から新しい人間関係を作り上げていくのは、高齢者にとっては高いハードルとなります。

結果として、不便さを感じながらもなんとか生活を継続している高齢者の方が多くなってしまいます。

移動手段の確保が重要

過疎化地域では、商業施設や医療機関が少なくなる傾向があります。そのため、ちょっと買い物しようと思ったり気分が悪いから受診をしようと思っても、遠く離れたところまで足を運ばなくてはなりません。

バスや電車などの公共の交通機関も十分に整備がされておらず、80歳を超えても自動車の運転をする高齢ドライバーもたくさんいます。

過疎化した地域での介護環境

過疎地域では、介護サービスの利用頻度が週1回未満の家庭が多いというデータもあります。

介護サービス事業所自体が不足しており、介護サービスの選択肢が少ないことが要因の一つとして挙げられます。

また、介護が必要な高齢者が多いにも関わらず事業所が少ないため、同一事業所にサービス利用が集中してしまい、介護サービスを受けることができない介護難民も深刻な問題となっています。

そのため、適切な介護サービスを受けることが難しく、結果として主に同居する家族や配偶者が介護を担当することが多いのが現状です。

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過疎化による事業所の苦悩

窓辺の車椅子

過疎化による影響は、高齢者だけではありません。サービスを提供する事業者にも大きな影響を与えています。

介護士の不足

過疎化が進んだ地域では、地域全体の労働人口が減少しています。もちろん介護士も例外ではなく、介護士不足に悩んでいる事業所も多く存在します。介護士が退職してしまうと次の介護士の確保が困難で、施設基準を下回り介護報酬が減算となる施設もあります

介護士の高齢化

介護に携わる介護職員の高齢化も大きな問題となっています。

若手の職員が確保しづらい状況にあるため、長年勤めてきた介護士が中心となって働いています。事業所の現状を考慮し辞めるに辞めにくい状況になっている場合もあるようです。

一つの事業所にサービスが集中

介護サービスの事業所数が少ないため、一つの事業所にサービスが集中する傾向があります。一人一人の従業員に対する負担が大きく、従業員が疲弊してしまっています。

状況打開のために必要なこと

虹とシルエット

 

 

地域包括ケアシステムの構築

地域ケアシステムとは、地域の実情や特性に合わせて「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」という5つのサービスを一体的に提供できるような体制を構築するシステムのことです。

それぞれのサービスが太い横のつながりを作り、お互いが自由に連携し合わなければなりません。

そのためには自治体がしっかりと目標設定を行い、リーダーシップを取っていく必要があります。

介護相談窓口の設置

過疎地では介護サービス事業者だけでなく、ケアマネージャー数も不足しています。そのため、介護について相談することができず、結果、自宅ですべて介護する必要が生じてきます。介護相談窓口を設置することで、介護に関する悩みを家庭内だけで抱え込むことがなくなり、現在悩んでいることの解決の糸口が見つかるかもしれません。

インフォーマルサービスの利用

介護サービスが不足している過疎地では、公的な介護サービスだけですべてを充足することは難しいかもしれません。介護保険サービス以外にも、緊急通報システムやボランティアグループ、介護体操教室など地域によっては様々なサービスが行われています。どういったサービスが利用できるのか、住んでいる自治体に問い合わせてみましょう。

過疎地で介護職として働くために

都市部に人口が集中し、地域格差が広がりつつある現在において地域の過疎化を食い止めることは難しいのかもしれません。しかし、そのような状況にあっても介護の必要な方は数多くいます。地域ケアシステムの確立とともに一介護職として、介護が必要な人のために自分にできることを行っていきましょう。

(Posted by めっし~)

 

 

 

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※掲載情報につきましては、 2019年12月27日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。