【サービス提供責任者ってなに?】気になるなり方も一挙大公開!

【サービス提供責任者ってなに?】気になるなり方も一挙大公開!

「サ責」とも言われるサービス提供責任者。訪問介護事業所になくてはならない存在です。「サービス提供責任者」という資格があるわけではないので、要件となる資格や仕事内容などわからないことが多いことでしょう。この記事ではサービス提供責任者を目指すにあたって必要な資格や具体的な仕事内容について解説していきます。

サービス提供責任者とは

サービス提供責任者は利用者との橋渡し役やサービスを円滑に進めていく役割を担っており、利用者に安心して訪問介護を受けてもらう、また利用者に合わせたサービスを提供するために訪問介護事業所ではサービス提供責任者を配置しています。いわば事業所を支える柱のような存在です。

必要な資格は何があるのか

誰でもなれるわけではなく、以下の決められた資格を保有している必要があります

・介護福祉士、看護師、准看護師、保健師のいずれかの資格

・介護職員実務者研修修了者

・旧ヘルパー1級資格取得者

・旧介護職員基礎研修修了者

ヘルパー1級と介護職員基礎研修は廃止されたため、新たに取得することはできません。過去に取得している人のみ要件として認められています。以前は介護職員初任者研修修了者も実務経験があればサービス提供責任者に就くことが認められていましたが、平成30年介護保険改正に合わせて認められなくなりました。

認められた要件に該当しない職員がサービス提供責任者をしている場合、介護報酬が減算になります。自分のキャリアアップにもなるため、訪問介護員として働いている人はサービス提供責任者になれるように資格取得を目指しましょう。

介護保険で定められている配置基準

介護保険において訪問介護事業所では、「利用者の数が40人又はその端数を増すごとに1人以上の者を配置する」と決まっています。

 

利用者数 サービス提供責任者の数
1~40人 1人以上の配置が必要
41~80人 2人以上の配置が必要
81~120人 3人以上の配置が必要

 

ただし、上記の配置基準はあくまで原則になります。平成27年には配置基準の改定がありました。

改定された配置基準と照らし合わせると、

 

・常勤のサービス提供責任者を3人以上配置している

・サービス提供責任者のうち1人以上は、サービス提供責任者の業務を主に行っている

・サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われている

 

以上の内容を満たしている訪問介護事業所は、利用者50人に対して1人以上のサービス提供責任者の配置と人数が緩和されています。

主な仕事内容と役割

サービス提供責任者の仕事は、「自身のヘルパーとしての業務」「訪問介護計画の策定など書類整備やサービスの調整」「職場の労務管理」が3つの柱となります。

具体的には「指定居宅サービス等の人員、設備及び運営に関する基準」第24条、第28条3項に明記されています。具体的な内容について説明していきます。

1.計画書の作成

利用者へ訪問介護を提供する際の訪問介護計画作成業務です。計画書はケアマネジャーからの居宅サービス計画書をもとに作成します。計画書には利用者や家族の状況を確認し、希望を踏まえ、目標の設定や目標を達成するために何が必要かなど具体的なサービスを盛り込むことが大切とされています。

2.サービス手順書の作成

サービスを提供する際にどの職員が訪問しても同じサービスが提供できるようにそれぞれの事業所において「サービス手順書」を作成します。具体的な介護の行い方、用意する物品、どこの部屋で提供するかなどサービス提供に対する手順が細かく明記されています。利用者、家族の両方に負担がかからないよう訪問時のサービスについてまとめることが大切です。

3.調整役

訪問介護事業所の窓口的な役割を担っています。訪問介護サービスを受ける場合、居宅介護支援事業所などのケアマネジャーから依頼を受けます。ケアマネジャーとは時間などの調整の他、依頼された内容に沿って利用者宅を訪問し、実際にどのような介助が必要かの確認を行います

また介護保険の訪問介護は家政婦ではないため、頼まれたことをすべて手伝うことができるわけではありません。訪問介護サービスは、身体介護と生活支援と大きく2つにわかれており、それぞれ介護保険で決められた単位数も異なります。

介護保険では利用者の自立支援を目指し、サービス提供が行われています。訪問介護も同様に、利用者の自立支援に向けたサービス提供が求められます。一方で介護保険は個人へ提供するサービスです。例えば、食事作りや洗濯、掃除などの場合、利用者に対して介助を行うことは可能ですが、家族の分まで行うことはできません。

介護保険で行う訪問介護サービスにおける介助の目的、利用者や家族に提供できる範囲を伝え、サービスの調整を行っていくことが大切となります。

4.利用者の状況把握

日々のサービス提供は訪問介護事業所全体で行います。一方でサービスが円滑に進んでいるかのモニタリングや利用者の状況に変わりがないかのアセスメントを定期的に行い、利用状況の確認に努めます。訪問介護を受けるようになり、自分でできることが増える利用者もいますが、加齢や病気の進行によって今までできていたことが難しくなる場合もたくさんあります。サービス提供ごとに関わる中で状況を把握し、利用者にとって必要なことが何かを考えていけると良いでしょう。

5.実績の把握

日々の訪問介護業務が円滑に実施できているか実施状況の把握を行います。円滑にサービスが進んでいない場合は関係機関との調整を行うこともあります。その他、事業所内で適切にサービスが提供されているかの確認も合わせて行いましょう。居宅介護支援事業所から依頼されている提供時間やサービス内容が正しく提供されていない場合、見直しが必要になるため気をつける必要があります。

6.サービス担当者会議へ参加し、関係機関との調整

居宅介護支援事業者の他、利用者を支えるサービス提供者として担当者会議へ出席し、連携を図ることは大切な役割です。毎日のサービス提供は訪問介護員が行っているため、会議へ出席する前に事業所内でケース会議を行う、日々のサービス提供記録の中で気になるところをピックアップしておくなど情報収集を行うと利用者の状況が把握でき、良いでしょう。

7.職員育成、介護に関する指導や研修

訪問介護はサービス手順書に沿って介助を行いますが、初めての訪問はサービス提供責任者が訪問介護員と一緒にうかがい、責任をもって教えています。その他、介護技術向上のための研修、薬の知識、事故が起こった場合の対応、緊急時の対応など定期的に学習の場を設け、職員の介護技術や資質の向上に努めています。

気になる賃金はどれくらい異なるのか

介護労働安定センターによる「平成30年介護実態調査」によると、所定内賃金訪問介護員の平均が206,312円に対してサービス提供責任者は234,201円となっています。同様の調査において、賞与は、訪問介護員が383,478円に対して、サービス提供責任者は479,150円です。資格の条件を満たすと、実務経験に関係なく、サービス提供責任者として仕事に従事することができます。訪問介護事業所で働くならぜひサービス提供責任者を目指しましょう。

サービス提供責任者として求められるもの

知識や経験もサービスを提供していく上で大切ですが、訪問介護事業所の重要な仕事を担っているため、マネジメント力、コミュニケーション力、決断や判断力が求められます。

マネジメント力

利用者や家族、ケアマネジャーなどと調整が必要とされます。サービス提供側として利用者の自立支援を目指して介護を支えている一方で依頼内容をすべて聞くことが良い介護とは言えません。そのため、訪問介護サービスで支えが必要な部分と利用者や家族の持っている力を使って自分たちでできる部分を区別するなどのマネジメント力が求められます。

コミュニケーション力

信頼関係を築くためにコミュニケーションは大切です。またコミュニケーションは言葉以外にも仕草や表情など非言語によってあらわされることがあります。利用者や家族がすべて自分たちの思っていることを言葉にして伝えているわけではありません。

一方ですべて言葉にすることで冷たい、怒られたなど誤解を招いてしまうこともあります。サービス提供責任者として言語的コミュニケーション、非言語的コミュニケーションの両方をうまく利用して利用者の生活を支えられるように努めていく必要があります。

【コミュニケーション能力って一体なんなのよ!という方はこちらをチェックしてみてください】

介護職員が身につけたいコミュニケーション術!気になるそのポイントは?

決断や判断力

訪問介護事業所の管理者を兼ねていることも多いため、会社として決断や判断をする場合があります。決断や判断はその場の思いつきで行うものではありません。事業全体に関わることであれば、現在の事業運営がどうかを考えた上での決断が求められます。

職員の採用から今後の方針まで決断を迫られる場面も多々あります。情報収集を行うとともに、今だけでなく、5年先、10年先のことを見据えて決断する能力が求められます。事業所内で意見を取りまとめることも大切ですが、いつも誰かの意見に頼って行うことはできません。困難に直面したとき目の前のことにとらわれることなく、先を見据えた決断や判断力が求められます。

目指そうサービス提供責任者

車椅子の人と介護士

誰もがなれるわけではないサービス提供責任者。賃金面でも優遇され、将来有望な仕事です。訪問介護は自宅で生活している人になくてはならない存在です。利用者や家族を支えるために何が必要かを見極め、本当に求められるサービスの提供ができるようになりたいですね。

また事業所内で誰が訪問しても同じサービスが提供できる専門職として働き続けることを願っています。

(Posted by momota)

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
※掲載情報につきましては、 2020年04月01日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。