【介護職の接遇】押さえておきたい3つのポイントとは?

【介護職の接遇】押さえておきたい3つのポイントとは?

介護士
介護職として働くようになると、接遇について指導を受けることが多くなりますよね。

介護施設の利用者さんに、質の高いサービスを提供できるようになるためには、接遇も大切です。職場で、接遇の研修を受ける方もいるでしょう。

ただ、職場で接遇の研修を受けても、実際の介護業務での活かし方がわからないということも。一般企業と同じような研修内容では、介護の現場で求められるサービスとマッチしないこともよくあります。

私は、管理職として、介護の現場で働いている多くの職員に接遇を指導してきました。

普段の業務のなかで、介護職としてどのような点に注意しながら接遇をおこなっていけば良いのか?介護職員に指導してきた経験を踏まえながら、接遇について解説していきます。

介護職に求められる接遇とは?

要人に寄り添う女性
接遇とは、お客さまに寄り添い、おもてなしの心を持ちながら接客する技術のことです。
介護職には、どうして接遇が重要とされるのかというと、主な理由は2つあります。

質の高いサービスが求められている

介護職というと、以前は食事の介助をしたりトイレのお手伝いをしたりと、生活の支援をすることだけが仕事とされていましたが、最近では介護現場でもサービスの丁寧さが求められるようになってきました。

介護施設を利用されるご本人やご家族も、費用をかけている分、より満足度の高いサービスを受けたいと考えていることも多いです。

例えば、私たちがファミリーレストランで食事をする時にでも、接客をする店員の表情や言葉遣いが気になるように、介護施設を利用するご本人やご家族も、介護職員がサービスを提供する姿勢について気にしています。

もしも不快に感じる対応をしてしまっていると、ご利用者さんやご家族からの印象が悪くなり、職員自身や職場の評価も下がってしまいかねません。

満足のいくサービスを提供するためにも、介護職員にも接遇は大切です。

利用者さんが安心して生活できる

また、介護施設を利用されるご本人の立場からすると、知り合いも少ない不慣れな場所で生活しなければならないので、精神的に不安を感じやすいものです。

人によっては、不安な気持ちから眠れなくなったり、そわそわと落ち着かない言動が多くなったりすることもよくあります。

ところが、ご本人が不安を感じている時でも、介護職員が丁寧な接遇をすることで、安心して落ち着きを取り戻せるときも多いです。

「どうされましたか?」
「大丈夫ですよ。」
「一緒に、散歩でもしましょうか。」

このように、相手の不安な気持ちをくみ取るような接遇がおこなえると、ご本人を精神的にサポートすることもできるでしょう。

しっかりとした接遇を身につけて、ご本人やご家族を不快な気持ちにさせないように注意しながら、安心してもらえる介護サービスの提供ができるようにしたいものです。

接遇で押さえておきたい3つのポイント

仲の良い家族
では、どのようなことに注意して接遇をおこなっていけば良いのでしょうか?
介護職の接遇で、基本となるポイントは次の3つです。

声かけ

介護施設を利用される方は、家族と離れて生活しなければならないので、不安感や孤独感を抱えている人も多いです。

顔なじみの介護職員からの声かけが安心感や元気につながっている場合もよくあります。そのくらい、介護職員の言葉は、利用者さんにとって影響力が大きいです。

利用者さんに声かけをする時には、まずは敬語を使いましょう。時々、利用者さんに“若者言葉”や“赤ちゃん言葉”を使っている職員を見かけますが、これは大きな間違いです。

どちらの言葉も、相手を不快な気持ちにさせるだけではなく、場合によっては、利用者さんの自尊心や自立心を傷つけかねません。

利用者さんのなかには、複雑な言葉の理解が難しい人もいます。ですが、からだの状態に関わらず、サービスを受ける時には誰でも対等な関係で接して欲しいと考えているものです。

介護職と利用者さんの関係に優劣がつかないように、敬語を使いましょう。

また、介護の現場では、声の「大きさ」「スピード」も重要です。特に高齢の利用者さんでは、人によって聞き取りやすい声かけの仕方が著しく変わってきます。

普段のコミュニケーションを重ねながら、それぞれの利用者さんにあった声かけの「大きさ」と「スピード」を見つけていけると良いでしょう。

声掛けについてさらに詳しく知りたい人は以下の記事をあわせてご覧ください。

介護業務をスムーズに行うための上手な「声掛け」具体例3選!

傾聴

傾聴とは、相手の気持ちを理解するように、じっくりと話を聞き共感しようとする姿勢のこと。

意外に思われるかもしれませんが、コミュニケーションをとる時には、話すよりも相手の話を聞くことのほうが大切です。誰でも話をじっくりと聞いてくれた相手には、自分を受け入れてもらった安心感を感じ、信頼を置けるようになるでしょう。

ところが、介護の現場では、傾聴が難しい場合もよくあります。というのも、からだの状態によっては自分の考えや気持ちをうまく表現できない方も多いからです。

色々な仕事を抱えている介護職にとっては、一人ひとりの利用者さんに対して時間をかけて傾聴できないこともあるかもしれません。

ただ、しっかりと傾聴すると、ゆっくり静養したり安心して眠れたりする方も多いです。介護施設内を落ち着きがなく歩きまわっていた利用者さんも、職員が話を聞きながら5分ほど散歩をするだけで、落ち着きを取り戻して自室に戻られるということも。

利用者さんが安心して生活するには、他の仕事の手を休めて、話を聞く時間を増やしたいものです。

傾聴をする時には、

  • 相手の目を見ること
  • あいづちをうつこと
  • 言葉をくり返して内容を確認すること
  • 話の内容を要約すること
がポイント。

もちろん、いきなりすべてのポイントを試してみるのは難しいですけれど、毎日の関わりのなかで、できることから練習してみるのがおすすめです。

傾聴がなかなかうまくできないという人は以下の記事もおすすめです。

【聞き上手な介護福祉士になる】傾聴力を鍛えるコツとポイント!

身だしなみ

介護職も、接遇を考える時には、勤務中の身だしなみについても知っておく必要があります。身だしなみによって、利用者さんやご家族の第一印象が決まってきますからね。

ただし、介護職の場合は、服装に関してあまりきっちりしすぎる必要はありません。なぜなら、介護の仕事では、“見た目の美しさ”よりも“からだの動かしやすさ”が求められるからです。

基本的な身だしなみは自分の職場の規定に従うべきですが、ひとつ注意点をあげるとするなら、汚ならしい身だしなみにならないようにだけ気をつけてください。

介護の現場では、仕事をするなかで利用者さんのからだや寝具などに触れる機会が多いです。ほとんどの利用者さんやご家族は、汚ならしい身だしなみの職員にからだや寝具を触られることを不快に感じます。ちょっとしたことですが、汚れや破損などがない身だしなみを心がけましょう。

また、ケガや感染症の予防の観点からは、ツメを短くしたりアクセサリーを外したりすることも重要です。長いツメやアクセサリーは、介助の動作をするなかで利用者さんの肌を傷つける可能性が高いですし、感染症を引き起こす細菌やウィルスの温床にもなります。

質の高いサービスを提供するには、ケガや感染症の予防は必須です。

服装、身だしなみについてもっと具体的にしりたい人は以下の記事を参考にしてみてください。

【現役介護福祉士が教える】介護現場にふさわしい服装とは?

明日からおこなうべき接遇についてチェックしてみよう!

チェックリスト
最後に、明日からの業務で実践しやすいように、接遇のチェックリストをつくってみました。
自分が注意すべきところはどこか?普段の接遇をチェックしてみましょう。

敬語で話ができる
利用者さんが聞き取りやすい声量で話ができる
利用者さんが聞き取れるスピードで話ができる
視線を合わせて話を聞くことができる
会話をしながらあいづちをうつことができる
利用者さんの言葉をくり返して、話の内容を確認できる
利用者さんの言葉をまとめて、話の内容を要約できる
ユニフォームや靴など、汚れや破損のない身だしなみができる
利用者さんを不快にさせないように、清潔感のある身だしなみができる
介助でケガをさせないように、適切な長さにツメを整えている
介助でケガをさせないように、アクセサリーを外して業務をおこなえる

いかがでしょうか?

以上のように、接遇をちょっと意識するだけでも質の高いサービスにつながっていきます。

利用者さんに心地良く生活していただいたり、安心感を感じていただいたりできるように、ぜひ普段の業務のなかでやってみてくださいね。

(Posted by 田口 昇平)

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※掲載情報につきましては、 2020年01月28日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。