あなたの腰は大丈夫?~理学療法士が教える腰痛予防~

あなたの腰は大丈夫?~理学療法士が教える腰痛予防~

腰をおさえる女性のイメージ

「介護をしていると腰が痛くて辛い…」

このような思いをしている介護職員さんは多いのではないでしょうか。

2013年6月より「職場における腰痛予防対策指針」が医療・福祉従事者に拡大され、介護職員の腰痛軽減の重要性が確認されました。しかし、現状はまだまだ介護現場で腰痛に悩む人が多く、離職率上昇や生産性の低下に影響を与えています。

そこで今回は、介護施設で10年以上理学療法士として働いている経験をもとに、腰痛を防ぐための働き方の工夫について紹介します。明日からすぐに実践できる方法もありますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

なぜ介護で腰が痛くなるの?原因は「不適切な介護方法」と「精神的ストレス」

腰を痛めない働き方を実践するためには、介護の仕事でなぜ腰が痛くなるのかを理解することが重要です。

そこで、腰が痛くなる2つの要因を解説します。

抱え上げや中腰、捻りなどの不適切な介護で腰の負担が増加

腰を低くしているイメージ

腰を痛める原因として、まず考えられるのが無理な抱え上げや中腰、捻り動作を繰り返す不適切な介護です。

具体的な動作として次のような場面が考えられます。

  • 重度介助が必要な利用者様の一人介助での移乗
  • 低いベッドで臥床する利用者様のオムツ交換
  • 体を捻った状態での食事介助
  • ベッドを下げたままで行うシーツ交換
  • 靴着脱の介助をしゃがまずにかがんで行う
など

ご紹介した介護方法は、どれも腰に負担のかかるものですので、繰り返すと腰痛の原因となります。そのため、介護方法そのものの工夫をして対応する必要があります。

精神的な負担により脳の不具合が生じて痛みを感じやすくなる

先ほど紹介したのは、介護により身体的な負担による腰痛の原因でしたが、実は腰痛は精神的な負担でも悪化します。

最近の研究では、ストレスにより脳の機能に不具合が生じて、通常より痛みを感じやすくなったり、痛みが改善しにくくなったりすることがわかっています。そのため、職場の人間関係や上司の対応が悪かったり、腰痛を必要以上に怖がって安静にしすぎたりするような精神的な問題で、腰の痛みを引き起こすことになります。

そのような原因での腰痛がある場合は、ストレスを解消するための対策を実施する必要があります。

腰を痛めないために「正しい介護方法の習得」と「気分転換」をしよう!

福祉用具を使うイメージ

介護現場での腰痛の原因から、「腰に負担のかからない介護方法の習得」と「気分転換をしてストレスを溜めないこと」が腰痛対策に重要になります。それぞれ、具体的な対策を解説します。

腰を痛めない正しい介護方法

腰を痛めない介護をするためには具体的な対策を3つのポイントに分けて紹介します。

重度介助が必要な場合は二人介助か福祉用具を活用

重度介助が必要な方を一人で抱えたり、移乗したりすると大きな負担がかかります。そのため、二人介助で負担を分散する方法が必要です。しかし、現場の人員にそのようなゆとりがない場合も多いと思いますので、その場合は福祉用具を活用するのがオススメです。

以下にオススメの福祉用具をあげてみます。

  • スライディングボード
  • スライディングシート
  • スリングリフト
  • スタンディングリフト
など

このような器具を使いこなすことで、介助量の軽減が図れ、腰への負担も減ります。リフトはコストがかかるため、すぐの導入が難しい場合は、コストの低いボードやシートから活用してみましょう。

中腰はベッドの高さ調整やしゃがみ動作で回避を

中腰姿勢を避けるためには、オムツやシーツ交換などベッド上での動作でベッドをしっかり高くするようにしましょう。また、靴の着脱や床にあるものを持ち上げるような動作をする場合は、腰を曲げてかがむのではなく、膝を曲げてしゃがむようにすることで、腰への負担が軽減されます。

意識して捻り動作を無くそう

食事介助や移乗時に腰をひねることも腰を痛めます。何気なく介助をしてしまうと、普段の癖で腰をひねってしまうので、日頃から意識してひねる姿勢を減らすようにしましょう。

意識的にリフレッシュしよう!上司への相談も重要

職場や家庭でのストレスをできる限り減らすことが、仕事で腰を痛めないことにつながることをしっかり理解して、リフレッシュする機会も作りましょう。

趣味や楽しみを持つこと、休みをしっかり取ることなど人それぞれのリフレッシュ方法があると思いますので、ぜひ積極的に実施しましょう。また、職場でのストレスは自分だけでは解決できないことが少なくありません。

そのため、職場にメンタルヘルスの対策をしてもらえる場所があれば積極的に活用したり、部署の上司など相談できる人に話を聞いてもらったりしましょう。

明日からすぐ職場で実践できる腰を痛めない体操

ストレッチをするイメージ

ご紹介したように介護現場では抱える動作をしたり、中腰になる姿勢が多くなります。そのため、腰には一定の負担が常にかかりやすくなっています。その負担を減らすための体操が腰を反らす体操です。

方法はとても簡単ですぐに実践できますので、以下にご紹介します。

  1. 立った状態で両手を骨盤に手を当てる
  2. 当てた手で骨盤を前に押し出すように力を入れながら体を後ろにそる
  3. 痛気持ちいい程度までそらした状態で3秒キープする
  4. ゆっくり元の姿勢に戻る
  5. 1~4を3回繰り返す
この運動により中腰や抱える動作で腰にかかった負担を軽減させることができます。実施のポイントは仕事の合間に実施することです。

皆さんも腰に負担がかかった時に何気なく腰をそらして気持ちいいと感じた経験があるのではないでしょうか。それを思い出して、業務の合間に意識的に組み込んでみるのがオススメです。

忙しい業務の合間でも、1分もあればできますので、ぜひ試してみましょう。

(Posted by syusei)

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
※掲載情報につきましては、 2019年10月29日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。

仕事お役立ちコラムカテゴリの最新記事