【認知症テストとは?】結果からみる支援に役立つポイント

【認知症テストとは?】結果からみる支援に役立つポイント


厚生労働省の将来推計によると、2025年に認知症の高齢者は約700万人となるといわれています。
これは65歳以上の高齢者の内、およそ20%もの割合の方が「認知症」になる可能性があるということです。

そのため、今働き盛りの世代の方も、介護という形で認知症に関わることも考えられ無関係ではありません。

この記事では、認知症のテストにより分かることや、テストの結果からわかる支援方法のポイントについて分かりやすく解説します。

認知症テストとは?

「理解・判断・論理」などの知的な機能のことを認知機能と言います。
認知症テストは、その「認知機能を検査すること」を目的としたスクリーニング検査です。

対象は認知機能が低下した疑いがある方で、基準やテスト時の対象者の様子から認知症の疑いがあるかどうかを予測することができるのです。例えば、75歳以上の運転者を対象とした認知機能検査なども認知機能テストと言えますね。

物忘れや記憶障害など、判断力や記憶力が低下したと感じた場合にテストを受けるケースが多いでしょう。

種類と判断基準

認知症のテストにはいくつかの種類があります。
医療機関で実際に行われている代表的なものでは「長谷川式認知症スケール」「MMSE(ミニメンタルステート検査)」の2種類あります。

どちらも「判断力」「記憶力」を問う問題が中心で、算数、筆記、身近にある物の名前を言う、図形の模写などの問題で出来ています。テストは短時間で行え、30点満点のうち各基準以下であれば認知症の疑い、あるいは軽度認知症と診断されるのです。

具体的には長谷川式認知症スケールでは、20点以下で認知症の可能性が高く、MMSEでは27点以下で軽度認知症、23点以下で認知症が疑われます。

認知症テストで分かることは?


脳の血流を画像検査や血液検査など組み合わせて、より正確に認知症の診断を行う場合がありますが、一般的には認知症テストで認知症の有無をスクリーニングします。

認知症テストは、簡易なテストにも関わらず、認知症が疑われるかどうか以外にも分かることがあります。

それは、認知機能の傾向から支援の方法や生活していく上での注意点をみつけるために役立つことです。

認知機能の傾向をチェック

上記で紹介したような認知症テストには、間違えた問題によって認知機能の傾向をみることもできるのです。

例えば、「ここはどこですか?」「今日は何月何日でしょうか?」など見当識を問う問題が苦手な場合や「先程、繰り返した単語をもう一度言ってください」という問題が答えれない短期記憶の低下がみられる場合など、認知機能の低下の仕方は人によって様々です。

そのため、特に軽度認知症などであれば、傾向を正しく知ることが大事です。
そうすることで、認知症の進行予防や支援方法、日常生活の注意点を考えることができます

テスト結果からみる支援方法のポイント


認知症テストの内容を大きく分けると「見当識・短期記憶・遂行」の3つに分けることができます。
各分野の設問に対する点数が低い場合に、生活していく上でどのような支援を心掛けるべきか、ポイントを紹介します。

見当識障害の場合には?

見当識とは、時間や場所、人物などから自分が置かれた状態を判断する能力です。

見当識が低下すると、日付や曜日、今いる場所、相手との関係性などが分からなくなります。そのため症状が悪化すると日常生活では、自宅への帰り道が分からない、家族が分からないなどのトラブルが起きてしまいます。

しかし、見当識が低下して最も不安な状態で過ごしているのは、本人であることを知っておきましょう。そのため、まずは言動を否定せず、思い出させるように声掛けやヒントを提供することを心がけてみてください。

短期記憶障害の場合には?

「お昼ごはんに何を食べたか思い出せない」など、短期記憶の障害がみられる方は少なくはありません。多くの場合、認知症テストでも「先程の言葉を反復してください」などの設問においても点数が低くなります。

もし、短期記憶障害がみられる場合には、お昼ごはんの内容や1日の出来事を書き留めるなどの工夫も効果が期待できるでしょう。

物を無くす場合がある際には、配置を決めてラベリングしておくと記憶を思い出す手掛かりにもなりますね。

遂行機能の低下の場合には?

認知機能テストの中には、指示により動作をしてもらう設問があります。

図形を描いたり、検査者の言葉を模倣したりが難しく、動作を遂行できない症状がみられる場合もあるでしょう。

日常生活でも、物の使い方が分からない様子がみられるかもしれません。その場合には、一緒に使い方を確認したり、目の前で実際にやり方を見てもらったりするように対応してみたください。

決して責めたり、できない理由を問い詰めたりしない配慮が必要です。

まとめ

認知症テストは、簡単に認知症の有無をスクリーニングすることが可能です。また、結果から傾向を把握し、支援に役立てることもできるでしょう。

認知症は、早期に発見することが大事で、症状の経過を評価し適切な治療を行うことが重要となります。

もし、認知症と思われる症状がみられる場合には、認知症テストを行ったり認知症外来を受診するようにしてください。

 

(Posted by 大世渡渉)

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※掲載情報につきましては、 2020年02月27日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。

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