介護職のメンタルヘルスケア~ストレスコーピングとは?~

介護職のメンタルヘルスケア~ストレスコーピングとは?~

悩んでる女性

介護の仕事を続けていると、利用者のことばかりでなく、職場の人間関係や勤務体制、給与面、健康面など様々なストレスに悩まされることも多いでしょう。

ストレスが深刻になると健康を損ねたり、離職せざるを得なくなったりと不利益を被る場合もあります。

ストレスとうまく付き合っていくために、おすすめのメンタルヘルスケアを紹介します。

そもそもストレスって?

はてなの写真

一言にストレスとは言っても、ストレスって実際にはどんなものなのでしょうか?

ストレスとは、もともと物理学の分野で使われていた言葉で、外部からの刺激のことをストレッサーと呼び、その刺激による物体の反応のことをストレス反応と呼んでいました。人に置き換えると、人に影響を与える刺激とその刺激に対して反応する内部の体の反応や気持ちの動きをまとめてストレスと呼びます。

ストレスはすべて悪い物というわけではありません。人はうれしい時や楽しい時の刺激もストレッサー=刺激として感じています。

ストレス研究の第一人者ラザルスは、何の刺激もない環境においたネズミが徐々に精神に異常をきたしたことを発見しました。ラザルスは生物にとって適度なストレスは必要不可欠とし、「ストレスは人生のスパイスである」と表現しました。

ストレスの原因と仕組み

丸まった紙の写真

人に影響を与えるストレス刺激(ストレッサー)には「物理的ストレス」「化学的ストレス」「心理社会的ストレス」などがあります。

  • 物理的ストレス:暑さや寒さ、騒音や混雑など環境要因がもたらすストレス
  • 化学的ストレス:公害物質、薬物、酸素欠乏・過剰、一酸化炭素など体に直接影響があるストレス
  • 心理社会的ストレス:人間関係や仕事、夫婦間や子供の問題など、特に我々が感じやすいストレス

人はストレスを感じると自分を守るために様々な防衛反応を起こします。

気持ちの奥にそのことを押し込めようとしたり、ストレスを感じる場面を回避しようとしたり、自分の中で納得できる理由を探したりします。いわゆる防衛機制と呼ばれているもので、これらの防衛反応は通常無意識で行われます。

しかし、それでも自分の心の中で処理できない場合は、体の外に漏れだしてきます。

イライラしたり、不安になったりするのがその典型例で、心の安定が崩れてきます。また、疲れがとれなかったり、腰や肩の痛み、食欲低下、胃痛、不眠症状など身体に影響を及ぼす場合もあります。

その状況が続くと集中力が低下したり仕事でのミスが多くなったり、飲酒量が増加したりなど社会生活活動に影響が出てくることもあります。

ストレスに対処する技能「ストレスコーピング」とは

ストレスとはどう付き合っていったらよいのでしょうか。適度なストレスは必要ではありますが、許容量を超えるストレスは身体に不利益を被ります。

ストレスとうまく付き合っていくためにはストレスに対処する技能である「ストレスコーピング」を磨く必要があります。

ストレスコーピングとは、日常生活上でストレスを感じた時に、そのストレスとうまく付き合っていくための考え方や技能・能力のことを指します。ストレスに対して適切に向き合い対処することで、不快なストレスを軽減させ、ストレス反応の悪影響を少なくするための方法です。

ストレスコーピングの種類

スタンドマイク

ストレスコーピングには様々な種類があり、多方面からのアプローチが可能です。以下に代表的なストレスコーピングの種類とその方法を説明します。

問題焦点(解決型)コーピング

問題焦点型コーピングとは、ストレスの元になっている原因に直接アプローチする方法です。

例えば上司がストレスの元となっている場合、直接上司に対してアプローチを行います。ただし、実際に行うことが難しい場合も多いです。

情動焦点コーピング

情動焦点型コーピングとは、ストレスの対象そのものではなく、ストレスに対する自分の考え方、受け止め方を変えることでストレスの影響を緩和しようという方法です。

例えば、今困難な状況にあるのは、未来の幸せための布石だと考えるようにしたりします。また、自分で解決できない悩みなどを他人に話し気持ちを整理することもこのコーピングに含まれます。

認知的再評価型コーピング

認知的再評価型コーピングとは、情動焦点型コーピングの一種であり、ストレスの原因を見方を変えて前向きにとらえる方法です。

例えば、上司が辛く当たるのは期待の表れと捉えるなどです。

社会的支援探索型コーピング

社会的支援探索型コーピングとは、自分一人の力で解決することが困難で、一人で問題を抱え込まず、周囲の助けを求める方法です。

例えば、苦手な人に注意する場合、一人で注意しに行かず同僚にも一緒に来てもらうなどです。

気晴らし型コーピング

気晴らし型コーピングとは、気晴らしをしてストレスを発散させる方法です。

例えば、好きな音楽を聴いたり、カラオケで大声で歌ったり、美味しい物を食べたり、スポーツをしたりとその方法は千差万別です。

介護施設におけるストレスコーピングの実践方法

本を読む女性

この項目では、実際の介護施設でどうストレスコーピングを実践すれば良いのかを解説します。

講座や研修などの定期開催

ストレスに立ち向かうには、漠然と対応するのではなく、ストレスとはどういうものかを理解して立ち向かうことでストレスの軽減を図ることができます。

職場内で定期的にメンタルヘルス研修や講座を行うことで、一人一人のストレスに対する意識が変容したり、対処技能を獲得しやすくなります。

自分のストレスと向き合う時間を作る

一日のうちに自分自身と対話する時間を持つことも有効です。

毎日の生活を振り返って、自分らしくいられているか、イライラしていないか等を客観的に見てみましょう。自分では気づかなかった部分が見えてくるかもしれません。

ストレスが起こる原因を把握する

ストレスを感じていることに気づけたら、その原因を客観的に分析してみましょう。

今任されている仕事は順調にいっているか、問題を一人で抱え込んでいないか、特定の場面でイライラすることはないかなどを見つめ直し、可能であればその原因を解決するための手段も考えてみましょう。

意識改革

ストレスの原因がわかれば、そのストレスに対する見方を少し変えてみましょう。解決することが難しい問題であれば、自分一人で抱え込まず同僚に助けを仰いでみましょう。

その事象に対してネガティブに捉えず、ポジティブに考え方を変えるだけで気持ちがふっと楽になります。

ストレスとうまく付き合おう!

ストレスは、日常生活をしていく上で避けることは困難です。ほとんどの人が日々の生活の中で常に何らかのストレスにさらされています。

ストレスコーピングは、ストレスをなくす方法ではありません。ストレスとうまく付き合い、ストレスの悪い影響を軽減するための方法の一つです。介護の仕事はやりがいとストレスの板挟みの仕事とも言えます。

ストレスを軽減し、働きやすい職場環境を作っていきましょう。

(Posted by めっし~)

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※掲載情報につきましては、 2020年01月21日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。