介護職の新人指導はどうしたらいい?自信がない人が知っておくべき指導方法

介護職の新人指導はどうしたらいい?自信がない人が知っておくべき指導方法

新人にレクチャーをするイメージ

介護職にも新人指導の悩みはつきものです。

介護職員として自分もようやく仕事ができるようになってきたところなのに、新人指導と言われてもどうして良いのかわからないですよね。

教育の必要性を感じている人ほど、新人指導に不安を感じます。今の仕事に加えて新人指導という不安材料が増えると、職場で働く自信を失ってしまうかもしれません。

私は病院や介護施設で、色々な方の指導に関わってきました。

自分が部門リーダーや役職者として、新人指導をおこなったり指導体制を整備したりしてきた経験の中でも、多くの介護職員が新人指導の方法に不安を感じていました

先輩介護職として、どのように指導をおこなえば良いのか?ここでは、介護職の新人指導の難しさを説明しながら、具体的な指導方法について解説します。

介護職の新人指導は難しい

指導が難しいというイメージ

病院や介護施設では、介護職の人手が不足しがちです。そうなると、それぞれのスタッフは自分の業務で手いっぱいとなり、新人指導にかけられる時間も限られてきます。

厚生労働省の報告によると、これから追加で必要とされる介護職員の人数は2025年度末までに約55万人、年間6万人程度と言われています。働いている職場にもよりますが、多くの病院や介護施設では介護職員が少ないため、業務が忙しく、そもそも新人指導に時間をかけられないのです。

私の働いていた病院や介護施設でも介護職員が不足していました。そのため、スタッフは利用者さんのトイレ介助をおこなったり身のまわりの手伝いをしたりなど、新人指導はおろか自分の業務で手いっぱいになる傾向があったのです。

介護職が人手不足の状態では、介護の実務や職場で必要な事務手続きなども指導しづらいです。

とはいえ新人指導に時間をかけなければ、新人は退職してしまう可能性も高いです。指導者から満足に仕事を教えてもらえず、介護職としての自分の成長を感じられないスタッフは、他の職場に転職して自分のスキルを身につけたいと思うようになるでしょう。

このように介護職の新人指導の難しいところは、新人にできるだけ早く介護の実務ができるようになってもらいながら、仕事を通して自分の成長や満足感も感じてもらう必要があるところです。

新人指導に必要な「3つのステップ」

3つのステップにチェックをつける

では、介護職の人手が不足し教育に時間がかけられない中で、どのように新人指導をしていけば良いのでしょうか?実は新人指導をする時には、指導者は次の「3つのステップ」を踏む必要があるのです。

【新人指導に必要な「3つのステップ」】

  1. 見学 (新人が指導者の仕事を見る)
  2. 模倣 (新人が指導者の仕事のまねをする)
  3. 実施 (指導者から離れ、新人が自分ひとりで仕事をする)

「3つのステップ」を踏んでいくと、新人は指導者から指導された内容が定着しやすく、正確な仕事ができるようになります。実はこの「3つのステップ」を踏む方法は、もともと医師を育成するために開発された「クリニカルクラークシップ」という教育方法で、現在では看護師やリハビリ専門職の育成にも使用されています。

介護職の現場では、どのように「3つのステップ」を踏めば良いのか?具体的な指導例があると新人指導の方法をイメージしやすいです。そこで、利用者さんのトイレ介助をする業務について、新人に業務を指導するやり方の説明を箇条書きにしました。

  1. 新人に、指導者のトイレ介助方法を見てもらう(見学)
  2. 新人が指導者のトイレ介助方法をまねできるようになるまで、くり返し見てもらう(見学)
  3. 指導者が見ている前で、新人は指導者のまねをして利用者さんのトイレ介助をおこなう(模倣)
  4. 指導者は、新人が自分と同じ方法でトイレ介助ができるようになるまで、くり返しトイレの介助方法を見る、アドバイスをする(模倣)
  5. 新人が指導者と同じ方法でトイレ介助をおこなえるようになったら、新人ひとりでトイレ介助をおこなっていく(実施)

ここでは利用者さんのトイレ介助を例に説明しましたが、食事や入浴介助なども同様に見学→模倣→実施をくり返して、新人指導をおこなっていきます。

私は、この方法で病院や介護施設で多くの介護職の新人指導をおこなってきましたが、丁寧に手順を踏むほど、新人はより正確に仕事を覚えていくことができました。

指導者として注意しておきたいことは、「1回教えただけで、諸先輩方と同じように仕事ができるようになる新人はいない」ということです。指導者が仕事を中途半端に教えた状態で放置してしまうと、近いうちに必ず事故が起こったりクレームが増えたりします。

ひとりの新人が成長するには、時間がかかるものです。でも丁寧に指導をおこなった新人は、必ず指導者の期待にこたえてくれますし、自分たちの職場を助けてくれる頼もしい人材になりますよ。

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職場のやり方に合わせながら自分なりに工夫する

自分でアイディアを出すイメージ

さて、指導者として新人指導の方法がわかりましたが、ひとつ問題が残っています。それは職場の教育環境によっては、見学→模倣→実施「3つのステップ」が踏めない場合もあるということ。

残念ながら、場所によっては「1回教えただけで仕事を覚えない新人は、できそこない」と考えられてしまう悲しい職場もあるのです。そういった職場では、あなたが新人指導に時間をかけるほど、ほかの仕事に手を抜いていると思われてしまうかもしれません。

新人指導は、先ほど説明した基本的なやり方を踏まえながら、職場のやり方に合わせて自分なりに工夫することも重要です。

例えば、日勤の介護職が多く、利用者さんの介助業務に人手が足りている時を利用して、新人指導に力を入れてみるのも良いでしょう。また日曜日や祝日は、病院や介護施設の入退所や他院への受診なども少ないので、そういったゆったりとした時間を新人指導に利用するのもおすすめです。

一方で、介護職はシフト勤務で働いているので、指導者と新人がすれ違いで勤務することも多いです。シフトが合わずに顔を合わせる機会が少ない時には、最近の仕事の様子を聞いてあげるだけでも、新人の不安や悩みが解決しやすいものです。

不安や悩みが全くない新入社員は、まずいません。自分の働き方に合わせて、新人指導の方法を工夫するようにしてみましょう。

(Posted by たぐ)

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※掲載情報につきましては、 2019年10月07日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。

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