認知症の症状は?物忘れだけでは認知とは言えない?

認知症の症状は?物忘れだけでは認知とは言えない?

高齢者になると誰しも発症が頭をよぎる認知症。

認知症といっても、みんながみんな一様でなく、色々な症状があります。

一見認知症を発症しているとは分からないような軽い症状から、誰が見ても認知症であると思ってしまうような症状まで様々。認知症というと徘徊や記憶力の低下が有名かと思いますが、今回はそれも含めて認知症の症状をお伝えしていきたいと思います。

「記憶障害」と「物忘れ」の違いとは?

認知症の代表的な障害として記憶障害があります。

同じく記憶を無くしてしまっている状態として物忘れがありますが、この二つには大きな違いがあります。

それは、忘れたことを覚えているかどうかです。
物忘れは他人から言われれば思い出したり、「何かを忘れている」ということは分かる場合が多いです。反対に認知症の記憶障害は忘れていた事柄自体を覚えていないので、思い出すことができません。

軽い症状なら直近の予定を忘れるぐらいで済みますが、進行していくと家族の名前や存在すら思い出すことができなくなります。

さらに記憶障害にも種類がある?

上記でお伝えした記憶障害にも種類があります。

日付や今までしていた行動の記憶が無くなってしまうことを短期記憶障害といいます。短期記憶障害は最近の記憶から徐々に忘れていき、進行が進むと忘れていく内容が増えていく場合が多いです。

一方で、自分の名前や家族の存在などを忘れていってしまう障害を長期記憶障害といい、忘れる記憶の内容は大きく3つに分けられます。

今まで自分が体験してきたことそのものを忘れてしまうエピソード記憶障害、言葉の意味が分からなくなる意味記憶障害、技術や無意識のうちに行っていた行動ができなくなる手続き記憶障害があります。

例をあげると、意味記憶障害は、食事に使う箸が欲しいのだけれども「箸」という名称も分からないし、どんな形状なのかも覚えていない状況です。
手続き記憶障害は、食事の時に今まで普通に使えていた箸やスプーンの使い方が分からなくなってしまう状態になります。

簡単にまとめると、以下のように分けられます。

 

・思い出が無くなるエピソード記憶障害

・物の存在が説明できなくなる意味記憶障害

・普段できていたことが分からなくなる手続き記憶障害

 

 

見当識障害と徘徊の関連性は?

昼夜問わず歩き回る徘徊という行動は認知症の症状としては一般的に知られているのではないでしょうか?

徘徊というのはあくまで行動であって、それ自体が症状という訳ではありません。認知症の他の症状が重なった結果徘徊という結果に至っていきます。

徘徊は何故起こるの?

徘徊をする理由は個人によって様々です。例えば見当識障害を持っている方は自分が今どこにいるのか分からない状況になっています。何処にいるのか分からないから、知っている場所に行こうと思い歩き回った結果徘徊になってしまう場合もあります。

トイレやお店に出かけようと思って歩き出したけど、見当識障害により場所が分からず延々と目的地を探し回り徘徊に至るケースは良くあるのではないでしょうか。

記憶障害により過去と現在の区別がつかず、退職したにも関わらず出勤しようとして徘徊になることもあります。特に男性の方によくあるケースと言えるでしょう。

カバンや洋服などを探し回り、それが結果として徘徊となる場合もあります。実際に物が見つかると落ち着く場合もありますが、現実には物自体が無い場合も少なくありません。

例としては、現在は壊れて捨ててしまったはずの、若いころによくつけていた腕時計を探し続ける、などのケースが見られます。

徘徊が起きた場合はどうするの?

自宅介護の場合で徘徊が頻回にあるなら、衣類の裏側などに連絡先を縫い付けておくと保護されたときにすぐに身元がわかります。

徘徊自体は本人にとっては意味のある行為なので、無理に止めると不穏になり症状が加速する可能性もあるので注意が必要です。

徘徊は過度なストレスでも起きることがあるので、無理に止めず本人の話をよく聞いて対処する必要があります。

認知症の症状のひとつ、「失語」は話せなくなる訳ではない?

言葉の分野を担当する脳の部位が機能しなくなると、失語という症状が発生します。失語というと全く話せなくなるというイメージがあるかもしれませんが、言葉自体は話せる場合も多いです。

失語には運動性失語感覚性失語という二つの種類があり、それぞれ症状が大きく異なります。

運動性失語とは?

運動性失語は別名ブローカ失語とも呼び、話は理解できますが言葉を発することが難しくなる症状です。「ごはん」を「おはん」と言ったり、「こんにちわ」を「ぉんにいあ」と話したりと発音が不明瞭になります。

言葉が不明瞭な為何度も話を聞かれる苛立ちや、思うように言葉が出せなくもどかしさからストレスがたまりやすい状況になることが多いです。運動性失語の方と話すときは話を急かさず、しっかりと聞き、ときにはジェスチャーやイラストなどを利用して円滑にコミュニケーションをとれるようにすることが大切になります。

感覚性失語とは?

感覚性失語は別名ウェルニッケ失語とも呼び、言葉自体はスムーズに話すことができます。ただ話や言葉の意味は理解するのが困難な為、会話は殆ど成立しません。「今日は天気がいいですね」といった声掛けに対し、「電気が光ってるね!」等脈絡のない言葉を話したりします。

コミュニケーションのときにジェスチャーと一緒に話したり、イラストを書いて指差ししてもらうなどの工夫が必要です。施設であれば、情報共有することで同じような訴えが会った時に、対応しやすくなっていきます。

まとめ

認知症の症状は失語、見当識障害、記憶障害などの中核症状と、中核症状・個人の性格生活習慣などが影響する行動、心理症状に分けられます。

どの症状でも本人にとっては必要なこと、大切な行動ですので否定せずにまずは受け入れてあげることが大切です。症状は個人で変わっていきます。症状で対応を決めるのではなく、本人を見て対応を考えることが症状改善に繋がるのではないでしょうか。

(Posted by にわたまこ)

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
※掲載情報につきましては、 2020年03月01日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。

仕事お役立ちコラムカテゴリの最新記事