食事介助の準備と方法を徹底解説!楽しく安全な食事を!

食事介助の準備と方法を徹底解説!楽しく安全な食事を!

食事をするイメージ

高齢者にとって「食事は大きな楽しみである」ことは皆さん知っていらっしゃるかと思います。

しかし、楽しみであると同時にいろいろなリスクを持っているという一面もあります。

そんな高齢者の食事について、介護のプロである私たちはどのように向き合っていくべきなのでしょうか。
食事の時間を楽しく過ごしてもらうために、今回は高齢者の食事について紹介します。

食事前の準備

利用者さんに食事をはじめていただく前に済ましておきたいことがいくつかあります。

それらをすることで食欲アップや、誤嚥・感染症の予防をすることができるので、ぜひ取り組んでみてください。

  • 食事に集中できるように、トイレ(排せつ介助)を済ませておく
  • 食事に集中できる環境を用意する(テレビよりリラックスできる音楽などがおすすめ)
  • 唾液を分泌できるように嚥下体操や口腔体操をする
  • 食事がすすむように、しっかりと覚醒してもらう
  • 献立を説明して食欲を刺激する
  • 食欲が落ちないように、排泄物などの嫌な匂いは消臭する
  • 感染症を予防するために手をきれいにする(洗う・拭く・消毒するなど)

理想の食事姿勢をとれるようサポートする

食事の介助をするイメージ

食事の前に必ずしてほしいのが食事姿勢をつくるサポートです。
正しい食事姿勢は誤嚥を予防し、スムーズに食事をしてもらうための必要不可欠なポイントになります。

理想の食事姿勢とは、椅子に座って軽く前傾姿勢をとり顎を少しひいて、膝を90度に曲げ地面にしっかりと足をつけている状態になります。

介護の現場では利用者さんごとにいろいろな状態が想定されるのでシチュエーション別に紹介してみます。

 

椅子(車椅子)に座りテーブルで食事をする場合

座位を保てるのであれば、できるだけベッドから離れてテーブルなどで食事をしていただきましょう。
その時に座るのは、車椅子より椅子のほうがおすすめです。

椅子をすすめる理由は、理想の食事姿勢をとりやすいからです。椅子は背もたれと肘おきがあり、座面は少し固めのしっかりとした作りのものがよいでしょう。

車椅子は座面と背もたれが柔らかいので、体が横や後ろに傾きがちになり姿勢を保つことが難しくなるのであまりおすすめできません。

車いすに座ったまま食事をしてもらうのであれば、座面に固めの中敷きを敷き、足をフットレストではなく地面や足置きに着いてもらうと食事の姿勢をとってもらいやすいです。

姿勢を保ち続けることが難しい方には、体の隙間にクッションを入れる、座面に滑り止めを敷いてみるといった工夫をすることで姿勢を保ちやすくなります。

 

リクライニング車椅子の場合

リクライニングの角度は、利用者さんの状態や希望に合わせながら、椅子と同じように90度を目指しつつ、45度以上になるようにはしたほうがよいでしょう。

少しでも顎をひき前傾姿勢になるように、背中や頭の後ろにクッションを入れてあげてください。

ただし、嚥下の力が極端に弱い方には逆効果になってしまうこともあるので、看護職員などと相談をしたほうがいいでしょう。

 

ベッドで食事する場合

角度は利用者さんの状態と希望に応じながら45~80度くらいにしましょう。
体がベッドの下部や左右にずってしまいやすいので、クッションをひざ下や肩とベッドの隙間に入れると姿勢を保持してもらいやすくなります。

頭の後ろにも枕やクッションを入れて、少しでも顎をひいた姿勢をとれるようにしてください。

食事に必要なものを事前に用意しておく

食事中に職員がうろうろすると、利用者さんは食事に集中できなくなります。

また、職員が席を離れている間に誤嚥を起こしてしまうこともありえるので、私用する箸やスプーン、エプロン、とろみ剤などはあらかじめ用意しておきましょう。

 

口腔内をきれいに

高齢者は唾液の分泌量が減り、口腔内が乾きがちで雑菌の温床になっていることがあります。

食事前に雑菌を取り除けるように、うがいや口腔ケアをしてきれいにしておきましょう。

 

介護者は利用者さんの隣に座る

忙しいからといって立ったまま食事の介助をするのはNGです。

立って介助をすると利用者さんは顔を上げざるをえなくなく、誤嚥を誘導することになってしまいます。必ず隣に座りましょう。

ななめ前に座るとなおいいでしょう。真横から食事介助をすると、利用者さんは顔を横に向け食べることになり嚥下しにくくなってしまいます。

また、麻痺側から介助するのも誤嚥につながるのでやめておきましょう。

介助の必要がない場合でも隣に座って食事を見守りましょう。職員も座ることで利用者さんと目線が合い、表情の変化や異変に気付きやすくなります。

立ったままでは威圧感を与えることにもなるので気をつけてください。利用者さんを見渡せない位置や背中を向けてしまうことはNGです。

食事中のポイント

食事中、食後にも大切なポイントとNGなことがあります。
ピックアップしたのでケアの際に意識してみてください。

大切なポイント

  • 食前に水分で口腔内を潤しておくと、嚥下がスムーズになる
  • 配膳は利用者さんの見える場所に置き食欲を刺激する
  • 食べ始めは水分の多い食べやすいものから(嚥下の状態確認や覚醒状態を把握する)
  • 声をかけ、食べたいものを聞き食欲をアップさせる
  • やけどしないように料理の温度に気をつける
  • 味を楽しみ、嚥下しやすいように主食・副食・水分を交互にバランスよく介助する
  • 食べてもらう量はティースプーンに軽く一杯程度が嚥下しやすい
  • 介助は下から行い、顎が下がるようにする

 

食事中のNG

  • 飲み込んだかどうか確認せずに、次の食事を運ぶ
  • 口だけを見て喉の動き(嚥下)を確認していない
  • ご利用者のペースを大切にしない

 

食後のポイント

 

  • 食べた量を確認して健康状態を把握
  • 口腔ケアをして清潔にする
  • 食べ物の逆流を防ぐため、食後すぐに横にならない

食事は楽しく、安全に、快適に!

高齢者の食事はこれまでに紹介したような基本となる部分を覚えておき、あとはその方に合わせながら応用していきましょう。

生きていくために必要不可欠な食事ですが、あまり型にはめすぎると、食事という高齢者にとっては数少ない「楽しい時間」「苦痛な時間」に変わってしまいかねないので注意が必要です。

利用者さんの楽しいという気持ちを大事にすれば、前向きな気持ちを育て、ADLの維持につながっていきます。
介護者にとってもメリットのあることばかりなので大切にしてみてください。

 

(Posted by 子守熊)

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※掲載情報につきましては、 2020年02月20日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。

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