自立支援を促す高齢者介護とは?例を挙げて具体的に紹介!より良いサービスを提供しよう

自立支援を促す高齢者介護とは?例を挙げて具体的に紹介!より良いサービスを提供しよう

こんにちは。介護福祉士のyumiiiii.sです。

介護保険制度が始まったのが平成12年。加齢や疾病により介護が必要となった人を対象としており「その人が持っている能力に応じ、尊厳を保持したその人らしい自立した日常生活を営むこと」が目的とされています。

3年に1度見直しが行われていますが、平成30年の介護保険制度改正では

  1. 地域包括ケアシステムの推進
  2. 自立支援・重度化防止に対する取り組みの強化、質の高い介護サービスの実現
  3. 介護人材の確保、生産性の向上
  4. 介護サービスの適正化、介護保険制度の安定性・持続可能性の確保

という4つの柱を基本として改正が行われました。
ここでは②の「自立支援・重度化防止に対する取り組みの強化、質の高い介護サービスの実現」の「自立支援」に重きを置いてお話していこうと思います。

自立支援とは?

介護保険制度の基本理念でもある自立支援ですが「介護が必要な状況下ですべてのことを自分でやってもらう」ことが自立支援になるかというと、そうではありません。

できなかったことができるようになるまでの「過程」を含めてが自立支援であり、さまざまな働きかけが必要、かつ重要になってきます。

 

〈ケース1〉 右上肢に軽度の麻痺があり衣服の着脱が一人では難しい場合

×…時間がかかっても良いので、着替えを全て自分で行ってもらう。介護者は見守り、声掛けのみを行う。
〇…麻痺している上肢のリハビリを行い、機能回復を目指す。

以前は麻痺は治らないとされていましたが、最近では麻痺は治療で回復するといわれています。この場合、麻痺している上肢の機能訓練を積極的に行い、麻痺を回復することが自立支援につながります。

専門的なリハビリテーションとしては、65歳以上で要介護認定を受けていて主治医が必要性を認めた場合に、介護保険の通所・訪問リハビリテーションサービスを利用することができます。

介護者としては、レクリエーションや日常生活で右手を使うような働きかけが必要です。利き手に麻痺がある場合は食事をするのも難しいので、食器やお箸などの福祉用具(自助具)の使用も検討してみましょう。右手を使うようなレクリエーションも効果的です。

リハビリに消極的な場合もあると思いますが、もしかしたらリハビリ自体に楽しみが見いだせないのかもしれません。

誰だってつまらないと思ったらやる気が起きませんよね。このような場合は、要介護者が好きな食事や興味のあるものを取り入れるなどして、楽しく取り組める工夫をすることも自立支援の一環です。

〈ケース2〉 変形性膝関節症で歩行時に痛みがあり、部屋に閉じこもりがちになっている場合

×…自分のことは自分でできるように、部屋から出る機会を増やすために、車いすを使用する。
〇…痛みがあっても膝を動かすよう働きかけ、筋力低下・体重増加を予防する。

痛みがあるからと動かさずにいると、膝を支える筋力の低下や体重増加を招き、膝への負担が増加します。

負担が大きくなるほど痛みが増すため、さらに動くことが億劫になってしまい悪循環です。運動は痛み止めの薬と同じくらいの痛みの改善効果がありますから、積極的にウォーキングなどを行うようにしましょう。

しかし、健康な人でも目的なく歩き続けることは楽しくないと思います。要介護者は痛みをこらえて運動やストレッチをするわけですから、何か目的や目標を持ってもらうことが継続のカギになります。

景色の良いところまで車で出かけて散歩をしてみたり、膝が良くなったら旅行に行くなどの「楽しみ」も必要です。

質の高いサービスを提供しよう

自立支援は、一歩間違えると逆効果になってしまうことがあります。

「直ちに自立せよ」というものではなく、生活に楽しみや生きがいを見つけながら、昔のように自分の好きなことをして、目的や役割をもって、最低限のことは自分で行えるようにすることが「自立支援」です。

逆に、何でもかんでもやってあげることが良いという訳でもありません。今持っている力を奪うことなく、最大限に生かし、向上させることが大切なのです。

 

相手を理解し、必要としているケアを考える

自立支援は、要介護者のニーズを把握することで、どのようなケアやサービスが必要なのかが見えてきます。また、短期的な目標と長期的な目標を持つことで生活にメリハリをつけましょう。

①歩行が困難だが、以前のように一人で買い物や散歩を楽しみたい。という場合

  • 杖や歩行器の導入、歩行訓練(短期目標)
  • 一人で安心して買い物や散歩に出かける(長期目標)

②家の中で転倒することが増えてきたので、転倒の心配がない日常生活が送りたい。という場合

  • 手すりの設置や段差の解消など環境の改善、歩行訓練(短期目標)
  • 一人でトイレや階段の昇降ができるようになる(長期目標)

といったようになります。最初の方でお話しした〈ケース1 右上肢に軽度の麻痺…〉の×例は、短期目標を飛ばして長期目標に取り組もうとしているということになります。

自立支援は、まず短期的な目標からクリアしていくことが肝心で、いきなり長期目標に向けてスタートしてもうまくいかないのです。信頼関係も築けず、やる気も損なわれ、状態が悪化してしまうこともあると思います。

 

生きがいや楽しみを見いだせるサービスを提供する

上記でもお話ししましたが、自立支援をするにあたっては「楽しみ」や「生きがい」を持ってもらうことが大切なポイントです。機械的・形式的に向き合うのではなく、相手の立場になって考えてみましょう。また、声のかけ方も重要です。

ただ単に「歩きましょう」「今後のためです」と言われてもやる気が出ないと思います。しかし「桜を見に出かけてみませんか?」「良くなったら美味しいご飯を食べに行きましょう!」という声掛けだとどうでしょうか。常に相手の立場になって考えることが、より良いサービスの提供につながります。

自立支援やリハビリについては以下の記事もおすすめです。合わせてご覧ください。

高齢者介護における作業療法

いつまでも楽しい生活を

介護が必要な状態になっても、いつまでも楽しく幸せに暮らしたい、と誰もが思うはずです。自立支援に対する正しい知識やサービスが浸透することで、より多くの人が幸せな生活を送れるようになります。

その一端を担う者として、常に学び、常に向上心を持ち、より良いサービスを提供していきましょう。努力や優しい心は、いつか何かしらの良い形で自分に返ってくる…と私は思っています。

(Posted by yumiiiii.s

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※掲載情報につきましては、 2020年01月28日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。

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