認知症介護のコツ・ポイント 介護技術編

認知症介護のコツ・ポイント 介護技術編

介護が必要となるきっかけはさまざまですが、認知症もその中の一つです。認知症に罹患すると日常生活だけでなく、コミュニケーション面でも支障をきたします。多くの介護職は少なからず認知症に罹患している利用者と関わる機会があるため、認知症介護のコツやポイントを知ることでスムーズな介護を行うことができるようになるでしょう。
今回は認知症介護のコツとポイントを、具体的な介護技術の側面から解説します。

認知症の概要

認知症と書かれている道路と空のイメージ

まずは認知症の概要として認知症の主な3つの種類、そして中核症状と周辺症状の違いについて見ていきましょう。

認知症の種類については以下の記事でわかりやすく解説しています。

認知症の種類を分かりやすく解説! 気持ちに寄り添うケアを

認知症の主な3つの種類

認知症と一口に言っても、原因となる疾患によっていくつかの種類があります。主なものはアルツハイマー型認知症脳血管性認知症、そしてレビー小体型認知症の3つです。

アルツハイマー型認知症

認知症の中で最も割合が高いのが、アルツハイマー型認知症です。原因ははっきりしていませんが、脳の中にタンパク質がたまることで認知症を発症すると言われています。男性よりも女性の発症率が高いのが特徴です。
短期記憶が失われる記憶障害や、時間や場所が分からなくなる見当識障害が目立ちます。

脳血管性認知症

脳梗塞や脳出血などの、脳に関わる疾患が原因となって発症するのが脳血管性認知症です。記憶障害見当識障害の他、脳細胞の損壊によってマヒ言語障害を併発することもあります。

レビー小体型認知症

最後がレビー小体型認知症です。レビー小体と呼ばれるタンパク質が脳細胞を破壊し、認知症の症状を引き起こします。
記憶障害見当識障害の他、幻視パーキンソン症状などが表れるのが特徴です。

認知症には中核症状と周辺症状の2種類がある

認知症には中核症状と周辺症状の2種類があります。中核症状は認知症という疾患がダイレクトに起こす症状のこと。記憶障害や見当識障害、失認、失行、失語などです。
対して周辺症状は、中核症状による心身のストレスが原因となって生じる症状を指します。抑うつや徘徊、失禁、睡眠障害、妄想、暴力・暴言などです。

【症状別】認知症介護のコツとポイント

老人の手を握るイメージ

認知症の利用者を介護する際は、それぞれの症状に合わせた対応が求められます。適切に関わることで利用者は安心し、介護もスムーズに行えるようになりますよ。コツとポイントを見ていきましょう。

何度も食事の訴えが続く

ドラマなどで食事をしたばかりなのに、「食事はまだ?」と家族に聞く光景を見たことがありませんか?記憶障害により食事をしたことを忘れているだけでなく、疾患によって実際に食欲が増しているケースもあります。確かに空腹を感じているので、下手にごまかしても納得はしないでしょう。不安定になったり、場合によっては生の魚や肉を食べてしまったりする危険性もあります。
しっかりとした食事ではなく、取り合えずの空腹を満たすためにおにぎりやパン、お菓子などの軽食を食べもらうとよいでしょう。認知症がさらに進行すると食欲は落ちるので、食べすぎを心配する必要はありません。

お金や物を盗られたと訴える

妄想によって、お金や物を盗られたと訴えることも少なくありません。彼らにとっては本当に感じていることなので、まずは否定しないことが大切です。
盗まれたと思っているものを一緒に探しながら、途中で話題を変えたり、利用者が信頼している人に間に入って話をしてもらったりするとよいでしょう。

家に帰るといって出ていこうとする

自宅で生活をしていても「家に帰ります」といって、自宅を出ていこうとすることがあります。いまの自宅という認識が失われてしまい、他人の家に長居しては迷惑と思っていることも理由の一つです。施設入所者も同様ですね。
自宅ではないと思っているので、「ここが家ですよ」と説得するのは逆効果。「せっかく来たので、もう少しゆっくりしていってください」などと声をかけたり、お茶や食事を促したりするのも有効です。

便を触ったり、尿をまき散らしたりする

認知症が進行すると自分の便を手でいじったり、トイレの中に尿をまき散らしたりする行為をする利用者もいます。見当識障害や失行の他、便が肛門内に残った不快感などが原因です。
定時でトイレに誘導をする、トイレの便器や壁に紙を張っておいて汚れたらすぐにはがせるようにする、排泄物がないか小まめにオムツをチェックするなどがよいでしょう。

暴力や暴言

感情のコントロールが難しくなったり、記憶障害や見当識障害によって混乱したりすると、他者に暴力や暴言をふるうこともあります。介護する側が感情的になると、ますます利用者も興奮するので逆効果です。落ち着いた口調で理性的に、そして利用者が理解しやすいように端的に話しをしてください。落ち着くまで少し距離を取り、見守ってみるのも効果的です。
ケースによっては薬剤治療が必要となるので、精神科医師に相談をしてみましょう。

認知症介護は症状や行動の原因を考えることが大切

ノートに記載する女性のイメージ

認知症の利用者を介護するにあたって大切なことは、生じている症状や行動の原因を考えることです。症状や行動には原因があります。
再三の食事の訴えや物盗られ妄想は現実とは違っていても、利用者本人にすれば現実と感じていること。まずは気持ちを受け止めた上で、症状や行動のきっかけとなっている原因を考えましょう。

まとめ

高齢者の割合が増えていく中で、認知症に罹患する患者数も今後増えていくものと思われます。介護の仕事をしていると、必然的に認知症の利用者と関わる機会もでてくるでしょう。
認知症介護のコツとポイントは、相手を否定しないで対応すること。現実とは異なる訴えがあっても、利用者にとっては現実に起きていることです。否定せずに、相手の気持ちによりそった対応が求められます。
今回紹介した認知症介護のコツやポイントを参考にして、利用者によりよい介護を提供してくださいね。

(Posted by Ahmad)

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※掲載情報につきましては、 2020年02月06日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。

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