明日からは聞き上手!介護現場で実践できるコミュニケーション技術4選

コミュニケーションの画像

こんにちは。社会福祉士・ケアマネージャーの吉田です。

今回のテーマは『介護職員に必要なコミュニケーション技術』ですが、皆さんはコミュニケーションの取り方について意識したことがありますか?もしコミュニケーションのない世界だったら…を想像してみてください。

朝起きても「おはよう」が聞こえない、「ありがとう」と伝える相手がいない…。コミュニケーションがなければ日常生活が成り立たず、殺伐としたものになるでしょう。ここでは介護現場において利用者と信頼関係を気付くためのコミュニケーション技術について解説します。

介護現場のコミュニケーション基本姿勢

セミナーのイメージ

介護現場では「コミュニケーションから始まりコミュニケーションで終わる」といっても過言ではない程、重要な意味をもちます。

研修やセミナーで「受容・共感・傾聴」が大切だと聞いたことがあるかと思います。

受容(相手をありのまま受け入れること)・共感(相手の気持ちになり理解しようとする姿勢)・傾聴(相手の想いに対し真摯に耳を傾けること)、これら3つの基本姿勢をもつことが、信頼関係の構築とより良いコミュニケーションのスタートとなるでしょう。

時々、「人と話すのが苦手」「コミュニケーションの取り方が分からない」と悩まれている方がいらっしゃいますが、介護は対人援助としてコミュニケーションスキルが必須です。コミュニケーションが苦手という方は3つの基本姿勢からでいいので、心に留めておいてくださいね。

コミュニケーションの種類

2つの種類のイメージ

コミュニケーションの方法には、大きく2つの種類があります。

1つめはバーバルコミュニケーションという言葉や文字を用いて相手に感情や情報を伝える方法、2つめはノンバーバルコミュニケーションという仕草やジェスチャー、態度で感情や情報を伝える方法です。

介護現場では自分の気持ちを相手に伝えにくい、相手の言葉や気持ちを理解しづらい認知症利用者も多いため仕草やジェスチャー、態度を用いたノンバーバルコミュニケーションが有効です。

実践で役立つ!さまざまなコミュニケーション技術

女性が打ち合わせをするイメージ

明日からの仕事で使えるコミュニケーション技術をご紹介します。

バリデーション

1963年アメリカのソーシャルワーカー、ナオミ・フェイルによって提唱された傾聴と共感を重視した認知症の方とのコミュニケーション技術です。「認知症の方の行動には意味や理由がある」ことを理念に、徘徊や帰宅願望、暴言暴力についても意味がある行動として捉えます。バリデーション実践には14のテクニックを用いますが、一部抜粋してご紹介させていただきます。

センタリング

介護者自身が落ち着き、相手の心をくみ取れるよう準備します

オープンクエスチョン

「はい」「いいえ」で答えられる質問ではなく相手が自由に答えることのできる質問をし、具体的な気持ちを聴きます

リフレージング

相手の言葉を繰り返すことで安心感を与えます

タッチング

触られることに抵抗がない場合、人の手の温もりは相手に安心感を与えます。手を重ねる、頬を両手で包み込むなど体に触れる技法です

ミラーリング

相手の言葉や行動、表情、声のトーンを合わせます

ユマニチュード

Yves Gineste (イブ・ジネスト)とRosette Marescotti (ロゼット・マレスコッティ)という2人のフランス人によって提唱された「見る」「話す」「触れる」「立つ」に注目した人との関わりを大切にしたコミュニケーション方法です。特に認知症高齢者との関わり方を工夫することで利用者、介護職員双方の負担を軽減し症状の改善に効果があるとされています。

見る

相手と同じ目線で接することで対等な立場であることを伝え、安心感を与えることができます。

話す

心地よいトーンでゆっくりと話しかけることです。

例えば排泄介助、いきなり布団をめくり介助を始めるのではなく、まずは「今日は暖かいですね」と声かけによってリラックスしていただきます。そして「これから排泄介助しますね」と説明し理解していただきます。

触れる

介助の際、つい相手の体を力強く掴んではいませんか?力を込めた手ではなく、優しく支える手で介助を行いましょう。また、手や背中に優しく触れることも気持ちの安定につながります。

立つ

「自らの足で立つ」ということは、人間が自己の尊厳を実感できる動作。ADL(日常生活動作)を維持、向上させ寝たきりの防止を目指す介助をすることで、利用者の尊厳を尊重します。

SOLER(ソーラー)理論

アメリカの心理学者Egan,G.(イーガン)によって提唱されたコミュニーション理論で、5つの身体動作から「私はあなたに関心をもっています」ということを相手に伝えます。

  • squarely(相手とまっすぐ向き合う)
  • open(相手に対して開いた姿勢で接する)
  • lean(相手の方へ少し身体を傾け寄せる)
  • eye(相手と目線を合わせる)
  • relaxed(リラックスして傾聴する)
これらの頭文字から「SOLER(ソーラー)理論」と言われ、コミュニケーションをとる際に、お互いにリラックスして言いたいことを伝えやすくします。

マジックフレーズ

接遇マナーは対人援助におけるコミュニケーションの基本です。接遇マナーを身につけることで、より良いケアの実践が可能となります。

社会福祉士として多くの方を援助してきた経験から、魔法の言葉“マジックフレーズ”をご紹介します。マジックフレーズは言葉を柔らかく優しいイメージに変える言葉でビジネスシーンでも用いられ、介護現場の他職種・介護職間においても活用できますよ。

例えば「大丈夫ですか?」という言葉にマジックフレーズを加え「〇〇さん、大丈夫ですか?」に変換してみましょう。名前を付けくわえるだけで「自分に向けて伝えてくれた言葉」と安心感があり良い印象を受けます。

そしてこのマジックフレーズに勝るものはない一押しが「おかげさまで」という言葉。ありがとう、あなたのおかげですという気持ちを込めてぜひ使ってみてください。

コミュニケーションは心の距離を縮める信頼関係のツール

手を握りコミュニケーションをとるイメージ

高齢になると、伝えたいことを言葉に表現しにくくコミュニケーションが困難になり自分の殻に閉じこもる方、怒りの感情で表出される方もいらっしゃいます。

コミュニケーションはラテン語で「Communicare(共有する)」で、お互いを尊重し、感情を共有するという意味を持ちます。介護職が専門性の高いコミュニケーション技術を駆使することで、利用者は自分らしい感情を自由に表現でき、想いを伝えることが可能になります。

1人1人に合った寄り添ったコミュニケーションを実践していきましょう。

(Posted by 吉田杏)

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※掲載情報につきましては、 2019年11月19日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。

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