【介護記録はなぜ必要なのか?】目的や意味を説明

【介護記録はなぜ必要なのか?】目的や意味を説明

介護職員が行う記録のイメージ

介護職員がおこなう記録と言えば、介護記録が真っ先に頭に浮かぶと思います。

介護記録に関しては、現場からはどうしてもネガティブな声があがることが多いのではないでしょうか。「書き方がいまいちよくわからない。」「時間がかかってしまう。」などです。

わたし自身も介護福祉士として介護の現場で働くなかで毎日記録を残す作業に追われていました。現場で働いていると記録をしなくてもいい日なんて当然なく、その量や文章をつくることに悪戦苦闘しつつこなしていく感じです。そんなこともあり記録を行うことはけっこう苦手でした。どうしても記録をおこなうことが手間に感じてしまっていたのです。

わたしが介護の仕事をはじめたころは、パソコンへの記録を残すということも導入されはじめていましたが、手書きで記録を残す機会も多く、なおのこと負担に感じていました。今のようにタブレット端末があって数字やテンプレートの文章を選んで簡単に済ますということができない時代です。そう考えると今はずいぶんと記録を残しやすくなったなと思います。

少し話がそれてしまいましたが、何が言いたいのかというと記録を手間に感じてしまう理由は何なのかというところです。当時のわたしは記録を残す目的を理解していなかったのです。ですから言われたまま、とにかく作業としておこなっていて負担にしか感じられませんでした。

しかし、本当はそうじゃないのです。介護のことを知れば知るほど記録の大切さを理解できました。それを知ると、手間であることには変わりないのですが、以前ほど負担に感じなくなっていました。

介護記録とは何か考えてみよう

介護記録とは何か?

そもそも介護記録とは何なのでしょう。何を今さらと思われるかもしれませんが、簡単に説明すると「介護サービスの一連の過程を記述したもの」です。職場によっていろいろな種類や名前があるとは思いますが、介護日誌やフェイスシート、アセスメント表、介護経過記録などがこれにあたります。

介護記録をつけることは介護保険法でさだめられています。例えば、「介護老人保健施設に係る規定を記した指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」では、第37条に諸記録の整備を定めています。また、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準でも、記録の整備について第9条に明記されているのです。

恥ずかしい話ですが、わたしはこのことを働きだして2年ほど知りませんでした。今思うと「もうちょっと勉強しようか。」と昔の自分に声をかけたくなります。

介護記録の目的を知ろう

介護記録の目的を知る

介護記録は法律に定められているから書かなければならないのはたしかですが、目的はそれだけではありません。

そもそも介護という仕事は1人ではなくチームで行うものです。チーム全員による統一したケアを提供するためには、利用者の情報をチーム全員が把握していないといけません。そのために必要となるのが介護記録なのです。これがないと、自分が知らない時間に利用者が何をしていたのかなどを知ることができないのです。

例えば、利用者が食事中に喉に食べ物を詰まらせてしまったとします。その場では上手く吐き出すことができ大きな問題になりませんでした。このことが介護記録として残っていなかったらどうなるでしょう。

その場にいなかったチームのメンバーはそのことを知ることができず、今後さらに大きな介護事故につながってしまう可能性もあります。そういったことを避けるためには、こんなことがあったと介護記録に残すことで、情報を共有する必要があるのです。そうやって介護記録を残すことは大きな事故の予防はもちろんのこと、ケアの質を高めていくためにも重要です。記録を振り返ることで学びの機会にもなります。

ケアマネージャーがケアプランを作成する際の情報やエビデンスにもなります。ケアプランは利用者に提供するケアに対してのいわば契約書のよう側面も持ちます。サービスの方向性や内容を決めるためには、普段の生活の様子や身体状態、利用者様の要望が記入されている介護記録が重要な資料となります。

また介護職員の給料のもとである介護報酬を受け取るさいには、ケアを提供したという資料にもなります。家族から情報を求められた時には介護記録を見てもらうことで安心や信頼をつくる絆となります。医療など他の機関との連携にも役立ちます。

近年では、これまでとは違った意味で重要性が増してもいます。それは増え続けている利用者やその家族からの訴訟において必要となるからです。訴訟が実際に起きてしまった場合には、介護記録が法的根拠となるので自分の身を守ってくれることもあるでしょう。

介護職員が行う記録において必要な「5W2H」とは?理解すれば記録の苦手克服が可能!

まとめ

これまで話してきた介護記録の役割をまとめてみました。

  • サービス提供の証
  • スタッフ間での情報共有
  • 利用者の状態等の把握
  • 家族や関係機関への情報提供
  • 介護内容の検証
  • 事故や訴訟など、万一の事態のときの証拠
このように、重要な意味が複数あるものが介護記録になります。その大切さを知っていただけたでしょうか。

ただし介護記録はあくまでより良い介護をするための材料となるので、目の前にいる利用者へのケアがおろそかになるようなことはさけてください。そのうえで誰が何のために読む記録なのか、意識して毎日の記録を残していきましょう。

(Posted by 子守熊)

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※掲載情報につきましては、 2020年01月14日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。

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