経験者が解説!訪問入浴介護の業務内容とメリット・デメリット

経験者が解説!訪問入浴介護の業務内容とメリット・デメリット

訪問入浴介護の画像イメージ

「訪問入浴介護」という介護サービスを知っていますか?

介護保険法で定められている居宅介護サービスのひとつで、専用の浴槽を使い自宅で入浴介助を行うサービスです。デイサービスや訪問介護に比べるとマイナーなので、詳しい業務内容を知らないという人も多いかもしれません。

そこで今回は、訪問入浴介護の業務内容ややりがいを感じること、大変なことをまとめました。

看護師として7年間、訪問入浴介護の勤務にあたった経験のある私が、実際に感じたことも含めてご紹介しますのでぜひ参考にしてください。

訪問入浴介護とはどんな仕事?

訪問入浴介護の概要

専用の浴槽を積んだ車で訪問し、入浴介助をする介護サービスです。

寝たきりで入浴が難しい人や、自宅に浴槽がなく外出も困難な人が対象となります。なかには、胃ろうや気管切開など医療のケアが必要な利用者さんもいます。通常、看護師1名と介護職員2名の合計3名で訪問し、サービスを提供します。

訪問入浴介護の特徴と利用する目的とは?

訪問入浴介護の利用する目的

他の介護サービスの入浴よりきめ細やかに介助できる

訪問入浴介護は、入浴に特化したサービスです。

寝たまま入れる浴槽を使うので、身体状況を問わずゆったり入浴できます。

また、他の介護サービスでは複数の利用者さんが同時に入浴したり、時間の都合上ゆっくり入れなかったりすることがあります。しかし、訪問入浴介護の場合、その時間は利用者さん専用のお風呂となり、スタッフ3名が付きっきりで介助するので安心です。さらに、看護師がいることで医療のケアが必要な人でも入浴できるというメリットもあります。

訪問入浴介護を利用する目的

清潔保持

清潔保持は、訪問入浴介護最大の目的です。清拭ではなかなか身体の汚れが落としきれませんが、全身入浴することで清潔な身体を保てます。また、入浴時に衣服やシーツも交換するので、清潔保持が一度にできるというメリットがあります。

気分転換

1日の終わりに湯船につかると、ホッとしますよね。それは、入浴すると副交感神経が優位になり、リラックスできるためです。寝たきりだと単調な毎日になりがちですが、入浴することで気分転換につながります。

多くの利用者さんが、週1回~2回の利用です。楽しみにしている人がほとんどで、訪問すると「待ってたよ」と言われることも多かったです。

訪問入浴介護の手順は?

訪問入浴介護の手順のイメージ

1.入浴前の体調チェック

看護師がバイタルサインを測定し、入浴できるかどうか判断します。体調の変化の有無を確認し、他のスタッフと共有することで安全にサービスを終えられるよう務めます。

2.浴槽設置

専用の浴槽を自宅内へ搬入し、お湯をためます。畳2~3畳ほどのスペースを使います。

3.脱衣、移乗

利用者さんのADLを考慮しながら、脱衣と移乗を行います。皮膚状態も観察し、特に寝たきりの人は褥瘡がないかチェックします。

4.入浴

入浴時間は、約10分です。頭から足の先まで、くまなく洗います。

5.移乗、処置、着衣

入浴前と同様に、注意しながら介助します。医師から処置の指示がある場合や保湿クリームの用意がある場合は、対応します。

6.入浴後の体調チェック

バイタルサイン測定と体調の変化を確認し、異常がないかチェックします。

7.片付け

浴槽や使用した物品を片付けます。

利用者さんのお宅に伺ってから退出するまで、約1時間かかります。

訪問入浴介護の仕事のおすすめポイント3つ

訪問入浴介護のポイント

1人の利用者さんに集中できる

施設では、同時に複数の利用者さんの対応を求められることがあります。訪問入浴介護は、1日に6~7件伺うことが多いですが、訪問している時間は利用者さんだけに集中できます。

利用者さんの希望に沿ったサービスが提供できる

あつめのお湯が好き、音楽を聞きながら入りたいなど、できる範囲ではありますが、個別で利用者さんの希望を叶えることができます。これは、訪問入浴介護に限らず在宅サービスの大きな特徴といえます。

家族も含めたケアができる

家族は、さまざまな思いを抱えながら介護に向き合っています。家族の抱える悩みや不安を受け止め、解決への道を一緒に探ることで、利用者さんにとってもいい介護につながります。

訪問入浴介護の大変なポイント3つ

大変なポイント3つ

体力の消耗が激しい

施設などで入浴介助を経験したことがある人は想像できるかもしれませんが、1日に何件もこなす訪問入浴介護はとても体力を必要とする仕事です。特に、夏はたくさん汗をかくので体力が奪われます。
また、寝たきりの人が多く着脱や移乗が全介助なので、腰痛に悩まされるスタッフも少なくありません。

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臨機応変な対応が求められる

寝たきりの状態だったり介護度の高い高齢者は、数日の間に急激に身体の状況が変化することがあります。

利用者さんが訪問入浴介護を受ける頻度は、通常週に1~2回。次回の訪問まで間隔が空くため、利用者さんのADLが急に低下していることもあります。安全に入浴を行うため、利用者さんの状況に応じて臨機応変に対応する力が必要です。

「自宅にお邪魔している」という意識が必要

訪問入浴介護を行うのは、利用者さんが生活している場です。そこにお邪魔するため、在宅サービスならではの気遣いが求められます。素早く確実な作業、明るく丁寧なコミュニケーションなど、スタッフの人となりも見られます。

訪問入浴介護は利用者さんひとりひとりと向き合える仕事

訪問入浴介護はハードなので体力が必要ですし、ホスピタリティも重要視される仕事です。しかし、利用者さんや家族と向き合い、その人らしい生活が実現できるようお手伝いすることはやりがいがあります。

利用者さんやご家族から直接感謝されることも多く、私はそれを励みに楽しく仕事をしていました。

この記事を読み、もし興味をもてたならぜひチャレンジしてみてください。

(Posted by 浅野すずか)

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※掲載情報につきましては、 2019年11月28日公開時点のものです。 施設情報・制度・資格などにつきましては、改定などにより最新のものでない可能性があります。必ず各機関や団体、各施設などにご確認ください。

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